台湾・http://lkc2.web.fc2.com/LKC2/TPE2/huabo2010/huabo.html  2010年 11月 8日


台北滞在の後半、2010年秋から2011年春にかけて半年の会期で開催されていた台北国際花卉博覧会を1日だけ
見学しました。実は、この催しがある事を知ったのは航空券を買った後でした。最初から知っていたら旅程を
長くして2日間は見学したかったです。

いつまで存続しているかは判りませんが、花博の公式サイトがまだ閲覧できます。日本語サイトはこちらです。


会場地図


上は会場の地図です。東西に流れている川は基隆河で、圓山大飯店の南方で大きくうねっているあたりです。
地図の左端の縦の線はMRT淡水線で最寄駅は圓山駅です。地図下端の東西の道路は民族路で、地図の左下角
に中山足球場があります。このあたりは元々、新生公園、台北故事館、台北市立美術館、児童育楽中心などの
公共施設が集っている区域ですが、それらをつなげて博覧会場を構築していました。会場は大きく分けると3
つの区画に別れます。地図左端の区画は中山北路で分断されていますが、中山北路を跨ぐ歩道橋が会場内の橋
として利用されており、各区画は徒歩で移動できます。

台北に初めて来て博覧会を見学した人は「花博の為に大規模な博覧会場を作った」と思うかも知れませんが、
台北を知る人間にとっては、既存の施設を利用して新規投資を最小限に抑えたその工夫に感心しました。例え
ば、中山足球場も改造されてパビリオンになっていました。下の写真の後に見えるのはスコア・ボードです。

中山足球場



児童育楽中心の3Dシアターも真相館というパビリオンとして利用されていました。台北故事館や林安泰古CUO
民俗文物館も博覧会場内に取込まれており、会期中に林安泰古CUO民俗文物館だけを見学したい人も博覧会の
入場券を買わねばなりません。

真相館


台北故事館


林安泰古CUO民俗文物館



博覧会の跡地は、現在は花博公園として整備されたようです。花博公園の公式サイトはこちらです。


G3ゲート


会場の最寄駅は淡水線圓山駅ですが、最寄駅の入場ゲートは混んでいるような気がして、私は中山北路と民族
東路の交差点から東へ少し歩いた所の3番ゲートから入場しました。


舞蝶館


ゲートを入ってすぐの所にドームのようなパビリオンがありました。これは既存施設ではなくて博覧会の為に
作られたパビリオンです。中を覗くとステージがあり何かの子供向けの劇が終ったところでした。

舞蝶館のステージ





花博の名誉の為に言っておくと、既存施設の再利用ばかりではなくて、博覧会の為に作られたパビリオンも少
なくありませんでした。たとえば遠東グループの企業パビリオンもそうです。壁面に張付いているのはペット
ボトルの空瓶です。

遠東流行館



舞蝶館を通り過ぎると、参加各国の出展した庭園の並ぶ区画でした。最初に目に入ったのは日本庭園です。


日本庭園


枯山水


しかしこの枯山水には違和感を感じます。石庭の波打つ小石は水面を表現していますが、そこから樹木がニョ
キッと生えているのは、洪水を描写しているという事でしょうか。


ブータン


USA




インドネシア


タイ王国






マレーシア


インド


フィリピン




こんなところでも新婚さんの撮影が…(^_^;

ハワイ


パラオ


オマーン


スペイン


上海庭園


西安的院子





西安的院子は「西安の庭」という意味ですが、その石畳の上に水で字を書く屋外書道家のグループがいました。

屋外書道家のユニフォーム


屋外書道家は中国の公園でもよくみかけますが、彼らのユニフォームに「2011西安世界演芸博覧会」と書かれ
ています。どうやら2011年に西安市で開催される演芸博覧会の宣伝の為、西安から派遣されて来た屋外書道家
のようです。西安を代表して派遣されただけあって、書はなかなかの腕前です。篆書、草書をさらさらと書分
けていました。彼らのパフォーマンスの動画はこちらです。


屋外書道家の実演(篆書体)


屋外書道家の実演(草書体)



日本人観光客を意識してか、部分的に平仮名も書いていました。「ろ」とか「あ」とか。



というのは冗談で、これは草書体です。「安以宇恵於」を草書で書けば見た目は限りなく「あいうえお」です。
通説では仮名は平安時代初期に発明されたと言われますが、万葉仮名を草書体で書けば、見た目は平仮名です。


もちろん花博ですので、会場のあちこちに花が植えられていました。

チューリップ


サルビア


ブルー・サルビア


サルビアが「鼠尾草」とは…。もう少しましな訳語を考えられないもんでしょうか。


花だけでなくフルーツの樹が植えられている一画もありました。ドラゴン・フルーツはサボテンの実でした。

パイン・アップル


バナナ


ドラゴン・フルーツ


スター・フルーツ


パパイヤ


龍眼


葡萄



会場には複数の屋外ステージが設けられ、演奏がありました。

屋外ステージ


管楽器五重奏



高校生のブラバンも演奏していました。しかし、前列でフラッグを持って突っ立っている三人は何者?

高校生のブラスバンド




大太鼓奏者も立って演奏していました。彼らは本来はマーチング・バンドのようです。すると前列の三人は、行
進時に先頭で旗を持ったりバトンを振ったりするのが役割かもしれません。しかし演奏会形式の時にははっきり
言えば出番はないのですが…


未来館に入りました。展示内容は植物園でしたが、なぜ名称が「未来館」なのかは謎です。ところで、なお最初
に紹介した舞蝶館や未来館は、現在の花博公園でも恒久的展示施設として公開されています。

未来館


未来館内部



目に付いたのが「鹿角蕨」という名称の植物群。帰国してから調べると、和名は「ビカクシダ」というようです。

鹿角蕨の一群 1


「象耳鹿角蕨」「三角鹿角蕨」「四叉鹿角蕨」はその意味するところがよく分ります。「安地斯」はアンデス
の音訳です。

鹿角蕨の一群 2


しかし「猴脳鹿角蕨」は…、サルの脳みそに似てるようには思いませんが。


巨獣鹿角蕨


皇冠鹿角蕨


名称不明


愛麗絲鹿角蕨



鹿角蕨以外にも珍しい植物もたくさんありました。

鵞掌蔓緑絨


山蘇(柱)


沙麗那竜舌蘭


烈刺玉


このサボテンは名称が説明そのものです。このような中国語訳は誰が考えるのでしょうか。


さて、博覧会では定番ですが、会場内に台湾各地のレストランが出店しているコーナーがありました。

蘭州拉麺


麺打ち職人



新竹米粉


焼ビーフン



蘭州拉麺は上海で食べたので、新竹焼ビーフンを食べました。歩き疲れてあまり食欲が出なかったのが残念。



前ページに戻る

「来た!見た!食った!」のトップ・ページに戻る



inserted by FC2 system