台湾・台北  2010年 11月 1日 〜 11月 10日


2010年夏にジェット・スター・アジア航空の関空発台北経由シンガポール便が就航しました。就航記念特価
で関空台北往復航空券が燃油サーチャージ、諸手数料、税込みで\13800という破格の値段だったので、2010
年11月1日から11月10日まで台湾へ行って来ました。

1日〜4日は台北、4日〜7日は高雄、7日〜10日は再び台北に滞在しました。ちょうど台北国際花卉博覧会が半
年間の会期で開幕したところで、台北後半の1日は花博見学に行きました。高雄旅行は別ページで紹介する
事として、このページでは前半後半計6泊の台北旅行を紹介します。

ジェット・スター・アジア航空はジェット・スター航空の子会社で、シンガポールを拠点とする格安航空会
社(Low Cost Carrier)です。ジェット・スター航空の日本発着路線は、関空や成田からオーストラリアへの
路線がありますが、ジェット・スター・アジア航空の方は、2010年時点では関空から台北経由シンガポール
への路線のみです。両航空会社のチケットは共にジェット・スター航空のホームページで扱っており、乗っ
た飛行機の塗装もジェット・スター航空でしたので、乗客から見れば両社は同じ会社と思ってよいです。機
材はエアバスA320。通路1本の3席−3席の座席配置で、座席の前後間隔は少し狭いように感じました。


ジェット・スター・アジア航空 搭乗ゲート


ジェット・スター・アジア航空 機内


私はLCCは初搭乗です。チェック・イン時にカウンターで荷物を預けると追加料金が必要です。私は手荷
物を機内持ち込みする主義なので追加料金は必要ありませんが、帰国時にお土産を買いすぎて旅行カバンに
入りきらなくなった場合は追加料金が発生するので注意しなければなりません。機内食も有料ですが、帰国
便が昼時だったのでチケット購入時に千円追加して注文しました。出されたカレー・ライスの味は良かった
ですが、同じ千円出すなら桃園空港のレストランで食べた方がメニューの選択肢は多かった…と思いました。


台北滞在前半の宿泊先は、中華路北端の東側に立地する儷莱商旅です。地下鉄西門駅から北へ徒歩5分、台
北駅も徒歩圏内の便利な場所です。朝食付きで一泊3700円でした。

儷莱商旅 外観


儷莱商旅 室内



ビルは相当に年季が入っています。この外観を見て私も最初はたじろぎましたが、部屋の内装は外観ほど古
びてはいませんでした。外壁の「空中花園早餐 ロ巴」と書いた垂れ幕の「ロ巴」は、Barの音訳です。訳す
と「空中庭園の朝食バー」。屋上に庭園とペントハウスがあり、そこでバイキング形式の朝食をいただきま
す。味は私的には許容範囲内ですが、おかずの種類が少ないので長期滞在したら飽きるかもしれません。


儷莱商旅 食堂内部


儷莱商旅 空中花園と食堂の建物



上の写真を見ると庭園の柵の向こうに隣の家があるように見えますが、それは家ではなくて隣のビルの屋上
に増築された建物です。周囲の古いビルはすべて同じ高さに揃っており、ほとんどの屋上に増築された建物
があります。ペントハウスと言えば聞こえはいいですが、日本なら違法増築です。恐らく、昔の台湾の建築
基準法ではこのビルの高さが上限で、法律が高い方へ改正されてから床面積を増やす為に増築したと推測し
ます。

下は屋上から南西方向を撮った写真です。中華路が南へ向かって伸びており、中華路の向こう側が台北の渋
谷と言われる西門町です。

中華路



儷莱商旅を出て中華路を横断し、ちょっと南へ歩くと西門町の北端に出ます。台北初日の夜は西門町を探索
しました。

西門町の夜








台北市での正式な地名は「西門」で、「西門町」は日本統治時代の地名ですが、在台北日本人がそう呼んで
いるだけではなく、現地でも「西門町」と表記しているのを見かけます。

「町」という漢字にtownの意味はなく本来は田畑の境界という意味なのを、日本では市街地の区画の意味に
転用(誤用?)して使っている訳ですが、辞書を引くと「町」の北京語発音は、田畑の境界という意味では
ting3ですが、地名に用いる時はding1と読むそうです。日本語で「○○町」と言う場合は、「田畑の境界」
の意味を拡大解釈して市街地の区画の意味に使っているので、厳密にはting3と読むのが筋ですが、中国人は
地名の一部という解釈でding1と読むのが一般的だそうです。


路上ミュージシャン



路上で演奏しているミュージシャンがいました。上の写真はロックバンドですが、下は尺八演奏家です。


尺八演奏家


聴衆?


しかし、演奏家と聴衆の間にはずいぶんと距離感があります。恐らく聴衆のみなさんは、演奏家の前に置か
れた「料金箱」を避けているのでしょう。(^_^;


ミュージシャンだけでなく似顔絵描きなどのアーティストも路上で営業活動をしていました。下は吉祥字画
家です。お客の名前やめでたい詩句を絵のように飾りたてた漢字で書きます。この時のお客は陳百明という
方のようです。吉祥字画製作の動画はこちらです。

吉祥字画


完成作品



西門町の路地裏でぶったまげるような焼き菓子屋を発見!その名も大雕焼。どんな客が買うんでしょうか?


大雕焼



阿宗麺線で腹ごしらえしました。メニューは阿宗麺線の大と小のみの単品経営。座席はなく路上で頂きます。
豚モツの具材が浮いたトロミのついた鰹ダシスープ。いわゆる中華料理の範疇には入らない独特な味付です。

阿宗麺線 店舗前


阿宗麺線 小椀



西門町の北端に庶民的な食堂の並ぶ通りがあって、初日の夕食はその中の「365小吃店」で食べました。炒飯
は美味かったです。大根餅は甘辛い味付けのタレで口に合いませんでしたが、完食しました。

365小吃店 店舗


365小吃店 店内


鶏蛋炒飯と青菜湯


大根餅



二日目の夜はその隣の「水龍王」で食べました。次に述べる「阿毛石鍋燉飯」を食べた後なので、注文は小
量にしました。

水龍王 店舗


水龍王 店内


魚丸湯と魯飯


魚丸湯に浮いている白い食品は、魚肉練り製品の一種です。日本の物とは微妙に異なる味付けで、口には合
いませんでしたが、完食はできました。


西門町のメイン・ストリート、漢中街で見つけたリゾット専門店「阿毛石鍋燉飯」を紹介します。店頭にゴー
ルデン・レトリバーがつながれていたので、最初は客が連れてきたのかと思いましたが、どうやらこの店の
マスコット犬のようです。そんな所に寝そべっていて出入りする客に踏まれないか心配です。

阿毛石鍋燉飯 西門1号店(仮称)


マスコット犬


メニュー


「阿毛」を日本流に言うなら「毛ちゃん」。恐らくメニューの右下のイラストの犬の名前がそうなのでしょ
う。上のメニュー右上の「「阿毛坐下」と「阿毛握手」はセット料理の名で、訳すなら「マオちゃんお座り
セット」と「マオちゃんお手セット」です。

店内


実は私は、「石鍋燉飯」の字面を見て中華料理だと思いこんでいました。燉(dun4)を辞書で引くと、「とろ
火で煮込む」とあるので、この店の看板料理である「阿毛招牌肉醤燉飯」は、具材が肉の醤油味の炊き込み
御飯だと思って注文しました。

阿毛招牌肉醤燉飯


出てきたのはミートソース味のリゾット。ここに至って、私もようやくこの店がイタリアンだと気付きまし
た。肉醤はミートソースの直訳、燉飯はリゾットの意訳でした。よく見れば犬のイラストの下に「RISOTTO」
と書いてあります。

翌日の昼に西門町を散策している時、西門地区にもう一軒の阿毛石鍋燉飯を見つけました。そこにも犬がい
ました。阿毛石鍋燉飯が台湾全土に何軒のチェーン店を展開しているかは知りませんが、全ての支店の店頭
にマスコット犬を繋いでいるのでしょうか?なお、西門1号店、2号店と呼んでいるのは私が見つけた順番
の仮称です。

阿毛石鍋燉飯 2号店(仮称)



夜遅く閉店時刻の西門町を散策中、阿毛招牌肉醤燉飯の最初に見つけた方の店の前を通り掛かると、犬が二
匹いました。1号店の犬と2号店の犬を連れて帰る為に集めたところだと推測します。その二匹は雄と雌で、
雄の方が興奮して雌にマウントしようとしました。飼育員は制止しますが二匹の大型犬を制御しきれません。
二匹を引き離して鎖を付けようと飼育員が奮闘していると、やがて店の前に見物人の輪ができました。

二匹の犬が…


その時の動画はこちらです。



西門町の一角に四川料理店が数軒並んだ通りがあります。ずいぶん昔に台北に来た時に、その存在には気付
いていたのですが、今回ようやく賞味する機会がありました。どの店も客の入りは同程度でしたが、店内の
照明の明るい「真川味」に入りました。仮に料理の味が同じでも薄暗い所より明るい所の方が美味しく見え
ますから。「真の四川の味」という自信満々の店名にも惹かれました。

真川味 外観(2011年10月撮影)


真川味 店内


この時(2010年11月)は店の外観の写真を撮り忘れたので、外観の写真は2011年10月に訪台した時に撮って
きました。


葱爆牛肉


この料理を注文すると辛さを聞いてきたので「ちょっと辛く」と頼みましたが、ぜんぜん辛くありませんで
した。赤く見えるヤツもぜんぜん辛くないので唐辛子ではなくパプリカでしょう。辛くない四川料理は拍子
抜けです。私が日本人なので辛さを遠慮したのでしょうか。大陸の湖南料理店で注文した時は「ちょっと辛
く」でもメチャクチャ辛かったのですが…台湾で注文する場合は、「普通の辛さ」という注文の仕方を知っ
ておかなくては。


炒豆苗


炒青菜を注文したら、青菜は品切れとの事で炒豆苗を注文しました。見ての通りアブラでベトベトで、この
分量を1人では食べ切れませんでした。


蝦仁炒蛋


美味しかったです。エビチリもそうですが、海のない四川省になぜ食材として海老があるのかは謎です。


冬瓜蛤蜊湯


冬瓜とハマグリのスープです。これも美味しかったです。私の経験では、湖南料理や四川料理でも冬瓜を使っ
た料理は辛くありません。透明感のある冬瓜を唐辛子で真っ赤にしても似合わないからでしょう。海のない
四川省になぜ食材としてハマグリがあるのかは謎です。


銀絲巻(炸)


四川料理のデザートの定番、銀絲巻は、蒸し(蒸)と揚げ(炸)がありますので、注文時に指定を忘れずに。
私は揚げパン派です。サクサクとした外皮とほんのり甘いパン生地が美味しいです。


地下鉄西門駅から西へ一駅目の龍山寺駅で降り、龍山寺の門前から西へ歩くと華西街観光夜市があります。
華西街は南北の通りで、南端の入口に牌楼(屋根付きの門)があります。

華西街観光夜市牌楼


華西街のアーケード



華西街の牌楼前の東西の通りには露店が並んでいます。

東側の露店


西側の露店



西側の露店街を少し歩くと金魚すくい屋がありました。「旅々台北」のコラムでも紹介されていた台湾の金
魚すくいを私も初めて見ました。確かにすくっている網は紙製ではなくて本物の網です。この遊びはいった
いどこにゲーム性があるのでしょうか?金魚すくいの動画はこちらです。

金魚すくい屋




話は変わりまして、次は台北滞在後半の宿泊先を紹介します。地下鉄忠孝敦化駅2番出口前の雑居ビル13階
のワンフロアで営業する友統大飯店です。このホテルはフレンズ・ホテル系列で、他の姉妹店と同様名前に
友の字が付きます。西門町と並んで台北を代表する繁華街の忠孝敦化エリアは、一度泊まってみたいと思っ
ていましたが、一泊1万円以下の安価なホテルが見つからず諦めておりました。今回のホテル捜しで友統大
飯店が開業している事を知り、窓の有る部屋を一泊約5000円で予約しました。

場所は地下鉄忠孝敦化駅2番出口(忠孝路北側の東寄り)の真ん前の雑居ビルの13階ですが、それはホテル
に辿り着いてから判った事で、ホテルの公式ホムペの地図には雑居ビルの名前も13階も書いておらず(住所
の末尾には13楼とありますが)、私は地下鉄の出口を出てから建ち並ぶ雑居ビルの前を右往左往した後、ビ
ルの壁面を見上げてようやくホテルの看板を発見しました。

友統大飯店の看板



この雑居ビルの入口に友統大飯店の存在を示すような表示はなく、そもそも雑居ビルの名称も判りません。
帰国してからグーグル地図などを調べた結果、雑居ビルの名前は「統領廣場」らしいです。2010年秋時点で
は1階のスタバが目印です。

統領廣場ビル入口



入口を入って奥に進み、エレベーター前のフロア案内を見て、13階に「友統HOTEL」の名前を見つけました。
12階にも凡登台北商務旅店というホテルがあります。帰国してからそのホームページを見つけましたが、友
統大飯店よりも高級そうです。14階の「撞球倶楽部」はビリヤード場です。その下の「MY FUN 麥歓楽24小時
休閑館」は…24時間営業のラブホ?

フロア案内表示



13階でエレベーターを降りると、右手にホテルの看板が出ていました。通路を進むとフロントがありました。

13階 友統大飯店入口


同時に1人の客しか対応できない小さなフロントです。このホテルの宿泊費は、一泊ごとに前日に払う仕組
みでした。クレジット・カードは使えます。

フロント



このホテルに食堂はありませんが、フロントの左隣のスペースにバイキング形式の朝食が用意されます。各
自がここで使い捨て紙皿におかずを取って自室に持ち帰って食べます。午後3時頃には珈琲紅茶とビスケッ
ト類が用意されます。しかし両手に紙皿と紙コップを持って部屋に戻ると、ドアを開ける為の手がありませ
ん。せっかく無料で朝食を用意してくれるほど気を利かせてくれたのですから、客の為にトレイを用意する
ところまで気を利かせてくれるとありがたいのですが。

朝食バイキング



このホテルは雑居ビルのワンフロアを借りてホテルに改装して営業しているもので、構造的に少し無理をし
ている所があります。まず半分以上は窓のない部屋です。私は窓のある部屋を予約しましたが、元々が雑居
ビルの小さな採光用の窓であり、窓辺に座って外の景色を眺めるような造りではありません。予約時に窓の
ある部屋を1000円ほど高い宿泊費を払って指定しましたが、こんな小さな窓と知っていたら、指定はしませ
んでした。


客室内の謎の段差


廊下の謎の段差



客室内は、ドアを入るとすぐベッドルームで、風呂場が窓側に配置され、風呂場側の床が一段高くなってい
る不思議な構造です。この段差は風呂場とトイレの水道と下水のパイプを通す為でしょう。廊下の途中にも
一段高くなっている箇所がありますが、その下にパイプを通していると思われます。

13階なので通りの喧噪はまったく聞こえませんが、上の14階にビリヤード場が入居しているので、部屋の真
上の台でプレーが行われると、球がポケットに落ちる時にゴトッという音が響きます。しかし夜遅くにはビ
リヤード場の営業も終わるようで、気になって寝付けないという事はありませんでした。


浴室


窓の眺め


道路の向う側に地下鉄の入口が見えますが、手前側にも地下鉄の2番出口があります。つまりこの雑居ビル
は地下鉄の出口の真ん前にある訳で、いろいろ不満もありますが、この立地のよさで機会が有ればまた泊る
つもりです。部屋にLAN端子があってインターネットが無料なのもポイントです。次回はPCを持っていこう。


上の写真には写っていませんが、道路の向い側のビルの2階に「京星港式飲茶」という24時間営業の広東料
理店の2号店があったので、そこで夕食を食べました。1号店は忠孝敦化の交差点付近にあります。

京星港式飲茶 part2 店内


「鮮魚片腸粉」、「蜜汁叉焼 酉禾」、「女乃 油蔬菜羹」


香港式飲茶の定番点心である腸粉と叉焼パイと「羹」を注文しました。「女乃 油」はバター、「蔬菜」は野
菜なので、「女乃 油蔬菜羹」は、「バターと野菜の羹(あつもの)」という意味になります。「羹に懲りて
膾(なます)を吹く」の「羮」とはどういう料理なのか?という興味で注文しましたが、食べてがっくり、
普通のポタージュ・スープでした。ポタージュ・スープの意訳に「羹」という漢字を使っていました。


統領廣場ビルの東側の路地を入ったところに「楊記大 食昆 飩」というワンタン屋があったので、鮮蝦紅油
抄手と紅焼牛肉湯を食べました。「抄手」がどういう料理か興味があって注文しましたが、辛いスープに入っ
た蝦ワンタンでした。紅焼牛肉湯も辛い味付けのスープなので、この組合わせは失敗でした。

楊記大 食昆 飩


店内


紅焼牛肉湯


鮮蝦紅油抄手


「抄手(chao1shou3)」を中日辞書で引くと「<方>ワンタン。重慶でワンタンを得意とした店の屋号…」と
あるので、ワンタンの四川方言でしょう。ちなみに「雲呑」は広東語で、「食昆 飩」が標準中国語です。


忠孝路と大安路の交差点から大安路を少し南下した所で、キティちゃんのケーキ屋さんを発見しました。住
所は台北市大安路一段90號。忠孝復興駅3号出口から徒歩3分の所です。中に入る勇気はありませんでした。
ショー・ウィンドウを覗き込んで写真を撮っただけです。

ハロー・キティ・スイーツ


店内


ケーキ小 120元


ケーキ大 750元


ケーキ大は日本円で2000円くらいですが、もしこれを買ったらナイフを入れる時に葛藤が生じる事でしょう。


という訳で宿泊場所周辺の紹介は以上です。続いて今回の台湾旅行は下記の項目に分けて紹介します。
台北市内散策猫空一日旅遊2010台北国際花卉博覧会

・高雄旅行(鋭意作成中)


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