中国、上海2 呉淞口遊覧 2009年 5月 5日




外灘の黄浦江沿いの遊歩道を南下すると遊覧船会社各社の乗り場が軒を連ねていますが、ほとんどの便は黄浦
江の外灘付近を往復するだけです。私の探したところでは、長江との合流点の呉淞口まで行く便は、浦江遊覧
が運行する午後14時発の1便だけでした。浦江遊覧の乗り場は各社の乗り場の中でも最も南にあります。客は
南京東路あたりから南下して来る訳で、浦江遊覧は先に他社に客に取られる事を恐れてなのか、乗り場よりずっ
と北の遊歩道上に出先の券売所を設けていました。私はここで券を買ってしまい、乗り場を探して不安気に歩
く事になりました。乗船券は遊歩道で慌てて買わず、乗り場に隣接する券売所で買う事をお勧めします。


浦江遊覧 遊歩道の券売所



案内板の左下に記載されているように呉淞口航線の価格は150元となっています。ところが実際に払おうとする
と、乗船券は半額の75元で済みました。値下げしたのか、特別な割引セールだったのか。しかし、そういう良
い事を表示も宣伝もしないとは、この会社は商売が下手、というより真面目にする気がないとしか言いようが
ありません。


浦江遊覧 乗船場の券売所



浦江遊覧は、船首が龍の形の双胴船が目印の船会社です。上の写真で、券売所の上の円形の屋根は券売所の向
こうに係留された双胴船「浦江遊覧1号」の屋根です。


待合室への階段



待合室は券売所の真下にあります。券売所の手前の階段を降ります。


待合室



待合室には行き先とか出航時間の表示がまったくありません。中国人客さえ「呉淞口行きはここか?」と聞い
ていましたから、外国人客に判るはずもありません。商売の下手な会社です。


乗船



出航時刻近くになって乗船開始。龍の双胴船に乗り込むので、一瞬「この船で行くのか」と思いましたが、こ
の船は通り過ぎるだけで、沖合側に横付けされた普通の形状の遊覧船「新春江号」に乗り移るのでした。


こんどこそ乗船



遊覧船「新春江号」キャビン



遊覧船「新春江号」後部デッキ



乗客の女性



後部デッキの屋外席に座ったところ、前の席にドイツ語を話す若い女性が座っていました。首の後ろ側に入墨
が彫ってあります。よく見ると「虎」という字でした。左右反転で。中国では「福」の字を逆さまに倒して貼
り付け「福到る」に引っかける縁起担ぎ(倒と到は同音)がありますが、虎の字を左右逆にするような縁起担
ぎは聞いた事がありません。恐らく彼女は中国趣味で、自分の干支の漢字を調べてあちらの彫り師に渡したの
でしょうが、転写作業の段階で彫り師が左右を間違えたのでしょう。


遊覧船「船長1号」



出航前の遊覧船から、乗り場に係留されている他の遊覧船を撮りました。


黄浦江



いよいよ出航です。遊覧船から呉淞口方向の黄浦江を撮りました。


外白渡橋



蘇州江が黄浦江に合流する河口に掛かる外白渡橋です。橋の右側の古風な建物はロシア領事館です。


渡し船乗り場(虹口側)



渡し船



渡し船乗り場(浦東側)



地図を見ると黄浦江には両岸を結ぶ渡し船の航路が何本もあります。しかし、観光客にとって最も需要が多い
であろう、外灘と東方明珠搭あたりを結ぶ航路はないんですね。地下鉄を利用するとなるとけっこう歩く必要
があるのですが。


揚浦大橋遠景



揚浦大橋近景



揚浦大橋を通過すると造船工業地帯に入り、「工場萌え」見学となります。


青クレーン



赤クレーン



艤装中の船



艤装中の船の後部



浮きドック



この活気は、神戸港にはとてもありません。お子様連れは観光というより社会見学で乗る価値ありです。次に
遊覧船とすれ違った色々な船を紹介します。


タグ・ボート



タンカー(木造?)



はしけ



クレーン船



造船工業地帯が終わると、コンテナ・ヤード地帯となります。キリンさんが延々と並んでいます。


コンテナ・ヤード





呉淞口



呉淞口に到達しました。やはり見た目は海と変わりませんでした。微かでも向こう岸が見えれば「大きな河」
と実感できるのですが、大きすぎると海と変わりません。船はここで大きく回転して元来た方向に戻ります。
呉淞口に出た時、女性服務員が乗客に珈琲を無料サービスしてくれました。この心配りはありがたいのですが、
正直に言うとタイミングは再考の余地ありです。呉淞口到達はこの旅のクライマックスで、乗客、特に男性客
はみんなカメラを構えて長江の景色を撮っている訳です。そこに珈琲カップを載せたトレイを持った女性服務
員が乗客の間を歩いて珈琲を配って回るのは、はっきり言って気が散ります。珈琲を配るなら、船が呉淞口で
180度ターンして黄浦江に戻った時の方が良いと思いました。


外灘生還



同じ航路を同じ時間を掛けて外灘に戻りました。行きに撮り逃した風景を再び撮るチャンスです。


下船



乗船風景は「動画頁 上海編1」にあります。




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