中国・上海 2 2009年 5月 4日 〜 5月 7日




4月30日から5月4日までの杭州散策に引き続き、4日に列車で上海に移動して7日に帰国しました。上海旅行は
2004年6月に続いて二度目ですが、前回の旅行では呉淞口(黄浦江と長江の合流点)へ行く遊覧船に乗りそび
れたのが心残りでした。今回の旅行は杭州の方が主目的で上海はおまけに過ぎませんが、呉淞口遊覧船乗船が
目的と言えば目的でした。

まず上海情報のホームページを紹介します。最後の「大衆点評」と「口碑網」は地元の情報サイト(中国語)で
すが、「美食」ページは言わば「上海版ぐ○なび」で優待券(クーポン)が掲載されています。

エクスプロア上海

まるごと上海

Whenever上海

上海市観光局ホームページ「上海館」

大衆点評

口碑網



上海南駅ホーム
上海南駅ホーム


「杭州散策」の「特急和諧号で上海へ」の最後で上海南駅ホームに降り立った後、地下鉄1号線に乗り換えて
市の中心部へ向かいました。駅の案内板では「地鉄」とは書いておらず、「軌道交通○号線」と表記していま
す。明珠線などの高架路線も含むので「地鉄」とは呼ばないのでしょう。神戸市営地下鉄西神線のようにほと
んど地上を走っている路線でも地下鉄と呼ぶ日本人より、漢字の意味に厳密なお国柄と思われます。


上海南駅案内表示板
上海南駅案内表示板


前回の上海旅行では、南京東路エリアの人民広場駅付近にある揚子飯店に泊まりましたが、今回はホテル予約
サイトでこのホテルが見つからず、外灘近くにある新城飯店を予約しました。


新城飯店(メトロポール・ホテル)



優秀歴史建築のプレート



アール・デコ様式の鉄筋コンクリート構造のビルで1934年竣工。このビルは江西中路と福州路の交差点に接し
ていますが、福州路を挟んだ南側にもまったく同じデザインのビルが建ち並ぶ双子ビルでした。南側のビルの
名前は福州大楼といい、現時点の用途はオフィス・ビルのようです。新城飯店の玄関を出ると自分が出たビル
が向かいにもあり、エッと思って振り返るとそこにも新城飯店があって、宿泊当初は玄関を出た瞬間に方向感
覚を失ってしまいました。


新城飯店と福州大楼



両ビルの見分け方は窓の外に突き出たエアコン室外機の有無です。新城飯店は集中冷暖房システムで窓に室外
機はないですが、福州大楼は各テナントが勝手にエアコンを取り付けているので、窓の外にぼこぼこと室外機
が突き出ています。


新城飯店室内



窓の眺め



新城飯店の建物は古いですが、内部は改装されてまぁまぁ快適です。ただ、水回りの設備は少々へたっていて、
トイレの水を流した後に水が止まらなくなったり、浴槽の栓が閉まらなくなったりしました。フロントに言う
と係員がやってきてすぐに修理してくれたので、トラブルの対応面では合格です。建物は上から見るとコの字
型をしていますが、「コ」の内側は採光のための空間で中庭はありません。窓の外に見えている非常階段のあ
るビルは隣のビルです。

ホテルで荷物を降ろした後、南京東路の散策ついでに、かつて泊まった揚子飯店がどうなっているのか見に行
きました。ちゃんと営業していましたが改装されて名前も少し変わり、高級そうなホテルになっていました。
揚子飯店以外の南京路エリアで見かけた歴史的建築物も合わせて紹介します。


アール・デコ様式?(揚子飯店)



モダニズム様式?



ネオ・ルネサンス様式?



前回の旅と比べて、所持するデジカメの性能が200万画素から1200万画素に大幅にアップしているので、外灘の
建築群の写真を撮り直そうと勇んで出かけましたが、なっ、なんと、外灘は前の道路が工事中でした。中国観
光はこれだから油断できません。


外灘 工事中



外灘 延々と工事中



仮設陸橋



工事現場を跨いで仮設陸橋が架けられているのですが、外灘遊歩道へ行くには一度地べたまで降りなければな
りません。


信号搭



前回の旅でちょっと気になった建物「信号搭」が当時は非公開だったのですが、「まっぷる上海編2010」によ
ると「外灘歴史陳列室」となって無料で公開されているとの事で、中を見学できると期待して出かけましたが、
なんとバーになっていました。


信号搭の入口



今回の旅では残念ながら浦東地区には足を踏み入れていません。外灘側から写真を撮っただけです。


浦東地区遠景



東方明珠搭



上海環球金融中心



黄浦江を眺めていてびっくりしたのが、このCM船。背中に大画面ディスプレイを搭載し、動画のCMを放映
しながら、黄浦江をひたすら往復していました。日本でもトラックで同類の広告手法はあると思いますが、そ
れを船でやりますか。


CM船





外灘の遊覧船乗り場から呉淞口行き遊覧船に乗って長江を見てきました。その顛末は下のページで紹介します。

中国、上海2 呉淞口遊覧



新城飯店から江西中路を400m南下すると上海自然博物館があります。係員に聞くと撮影OKだったので、たっ
ぷり写真を撮りました。建物自体も博物館級の歴史的建造物と思われます。


上海自然博物館 正面入口



上海自然博物館 ホール



恐竜1 合川馬門渓竜(Mamenuchisaurus hochangensis)



恐竜2



恐竜3



黄河象



夜に南京西路の人民公園近くを歩いていて風格のあるビルに遭遇して写真を撮りましたが、後でガイドブック
を見るとその正体は上海美術館でした。


月夜の上海美術館



続いて南京東路エリアの夜景をまとめて紹介します。


南京東路の夜景1



南京東路 東亜飯店



南京東路 永安百貨



南京東路 上海時装商店



南京東路を東に進んで外灘に出ました。歴史建築の手前の工事現場は闇に包まれ、様になる写真が撮れました。


上海浦東発展銀行(高解像度)



浦東地区夜景





豫園界隈の豫園商城、上海老街には到着初日夜とその翌日朝に散策しました。下のページで紹介します。

豫園界隈散策



南京西路沿いにある静安寺へ行って来ました。三国時代創建の古刹だそうですが、建物は新築です。境内に入
ると拡声器からお経が流れてきたのでBGM再生と思っていたら、信者で満員の本堂で法要の真っ最中でした。
観光寺ではなくて現役の信者に支えられた信仰のお寺です。


静安寺



正門



伽藍全景



燈籠



信者は境内に入ると、まずお線香を買います。一束2元ですが、これは商取引ではなくて2元はお布施です。


線香販売機



線香に火を付けて四方向に対して礼拝をします。


礼拝



礼拝が終わったら線香はこの台に置きます。


線香置き場





本殿



本殿への階段の途中に黄色い板の注意書きがあります。


本殿の注意書き



「明火を持って殿堂へ進まないでください」という意味ですが、明火を辞書でひくと松明とあります。しかし
この場に松明はそぐわないので、明火はあのお線香の事だと思います。


釈迦牟尼仏



中国仏教の主流は観音信仰ですが、この寺のご本尊は釈迦牟尼仏でした。観音様は隣におわしました。


観世音菩薩



蘇州河を渡って虹口地区を散策しました。


蘇州河



四川路橋を渡ったところに上海郵政博物館があります。まっぷるの地図では「郵電局」となっていて、これが
博物館だと気づいたのは帰国して撮った写真を見てからです。旅行時は古典様式のビルを写真に撮っただけで
通り過ぎてしまいましたが、中を見学しなかった事が悔やまれます。


ネオ・ゴシック様式? 上海郵政博物館



上海郵政博物館正面の揮毫



ところで、この博物館の入口の上に掲げてある「上海郵政博物館」の題字が達筆なのは判りますが、こんな所
に作者の署名まで掲示するものでしょうか。この「江澤民」なる人物が書家として展覧会に自分の作品を出品
する場合にその作品に署名捺印をするのは当然ですが、それはその作品が「私」物だからです。が、この博物
館の題字は「私」ではなくて「公」です。この事例は中国の国家指導者の「品格」の程度を示している。…と
思っていたところに、2009年11月30日付け日経新聞朝刊に「江沢民氏 存在感再び」という見出しで、これに
関係する記事があったので引用します。この博物館もその「多くの博物館」の中の一つなんでしょう。

前略…今月16日に河南省安陽市で開かれた中国文字博物館の開館式では、江氏が揮毫した館名の字が披露され
た。…中略…江氏は国家主席時代に多くの博物館の館名を揮毫したが、引退後に新たな揮毫が国営メディアを
通じて宣伝されるのは異例だ。…後略


河南北路



上の写真は、河南北路と海寧路の交差点の陸橋から北に向かって河南北路を撮りました。河南北路の右手の区
画は塀に囲まれた住宅街は、なかなか味わいのある作りです。古い時代の住宅街を修理して整備中のようです。


虹口区の住宅街 修理後



虹口区の住宅街 修理前



住宅街の中を走る路が外部に出るところは塀が途切れて門になっていますが、部外者が入って良いものなのか
判らないので、門の外から写真を撮りました。


虹口区の住宅街 路地裏



河南北路に面した塀には虹口区域にある歴史的建造物を紹介するパネルが掲示されていました。


虹口区の住宅街外壁の建築物案内 西本願寺



虹口区の住宅街外壁の建築物案内 景霊堂



街を歩いていて偶然見つけた気になる「お店」の写真を4枚紹介します。


オープン・カフェ



洒落たオープン・カフェですが、テラス席を柵で囲ってるのが中国らしいです。柵がないと、客でもない奴が
ベンチ代わりに勝手に座ってしまうんだろうと思います。しかし、歩道の一部を柵で囲って私物化して法律的
に問題ないのでしょうか。


屋外自転車修理屋



もし中国において歩道の私物化が違法行為として問題になるなら、この自転車修理屋は即逮捕です。


料理の下ごしらえをする快餐店店員



近代的なファースト・フード店の開店前準備中の光景です。店員が総出で床に座って野菜を切っていました。
レストランに厨房が無いはずは無い訳で、また厨房が狭くて他で準備作業をするにしても、テーブル席はいく
らでもある訳で、地べたに座って作業をする必然性がありません。おそらく彼らは田舎の出身で、故郷では土
間にしゃがんで食事の準備をする習慣なのでしょう。近代的厨房というハードを用意しても、それを使う人間
のソフトが追いついていない一例だと思います。


虹口の魚屋



魚屋で売っていた蛙です。私も中華料理の食材で蛙を使う事は知っていますが、それは食用ガエルだと思って
いました。この蛙はトノサマガエルと思われます。これをどう調理して食べるのでしょう。


磁気浮上列車 龍陽路駅



帰国時の市内から空港へは、磁気浮上式列車を利用しました。あちらでは「磁浮」と略しています。「磁浮」
の市内側終着駅は地下鉄2号線龍陽路駅と接続しています。地下鉄を降りて地上に出るとすぐ横に「磁浮」の
高架駅がありました。一階には「磁浮」の技術を説明する展示室(小博物館)がありました。切符売場と改札
はエスカレーターで二階に行くとあります。自動改札機の前に手荷物のX線検査を受けなければなりません。


磁気浮上列車 陽路駅切符売場



磁気浮上列車 陽路駅改札口



磁気浮上列車 陽路駅ホーム



先頭車両側のホームの端まで行って切替ポイントの写真を撮りましたが、次に目をやると移動していました。
動くところを動画で撮れなかったのが悔やまれます。


磁気浮上列車 切替ポイント 動く前



磁気浮上列車 切替ポイント 動いた後



駅から発車する「磁浮」を高架の下から撮った写真です。軌道の下側のコイルは三相三線式なのが判ります。


磁気浮上列車 走行中



磁気浮上列車 軌道のコイル



到着した列車に乗り込みます。車幅は新幹線より広く座席は3列−3列です。座席の方向は固定式で各車両の
中心で左右対称に向かい合う欧州スタイルです。つまり、座席の半数は進行方向に背中を向けて座る事になり
ます。座席指定はなく早い者勝ちですので進行方向向きの席に座りましょう。と言っても私の行った時はガラ
ガラで、椅子取りゲームはありませんでした。


磁気浮上列車 停車中



磁気浮上列車 車内



乗り心地は、想像していたより悪かったです。宙を浮いて走るんだから揺れなんかないだろう、と思っていた
のですが、走行中は小刻みで「硬い」振動が絶え間なく続きました。超伝導電磁石を使う日本のリニアと違っ
て、常伝導電磁石を使うトランスラピッドは軌道から浮き上がる距離が8mmしかありません。いくら軌道を精
密に作っても工業製品として製造誤差、この場合は軌道のでこぼこがゼロではない訳で、その僅かなでこぼこ
に沿って軌道から8mmの距離で時速430kmで突っ走ると、軌道のでこぼこが原因で車体の振動になると推測しま
す。もしトランスラピッドの技術で長距離高速鉄道を敷設した場合に、この「硬い」振動の列車に1時間以上
乗るのは気が進みません。レールとの摩擦がないので出そうと思えばスピードはもっと出る(技術的な最高速
度は500km)のでしょうが、振動もひどくなるので、乗り心地との妥協で時速430kmになったのかも知れません。

動画「磁気浮上列車 到着」
動画「磁気浮上列車 乗車」


最後に上海で食べた物をまとめて紹介します。

上海 中華三昧




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