桃園国際空港から台北市内へ 2011年


2011年現在、桃園国際空港と台北市内を結ぶ鉄道は開通しておらず、市内への交通手段はバスかタクシーです。
ここでは、空港と台北市内を結ぶ高速バス各社を紹介します。実は台湾高速鐵路の線路が桃園空港のそば数km
の所を走っており、高鐵桃園駅は空港から5kmくらいです。空港と高鐵桃園駅を結ぶバスは10分間隔で出てお
り、高鐵桃園駅での乗り継ぎがうまくいくなら、高鐵を利用するのが台北へ行く一番早い方法です。しかし台
北行きのバスに乗れば1時間で台北へ着きますので、私の選択肢に高鐵はありません。ちなみに、国光客運の
台北行きバスの運賃は125元なのに対して、統聯客運(Ubus)の高鐵桃園駅行きバスの運賃は30元、高鐵の桃園-
台北間の運賃は160元の合計190元です。所要時間は前者の約60分に対して、後者は、高鐵の桃園→台北は20分
ですが、バスに10分、乗り継ぎに10分を見ると計40分です。ただし、高鐵桃園駅に停車する列車は1時間に2、
3本ですので、タイミングが悪ければ乗り継ぎに30分以上かかる可能性があります。

2011年現在、台北駅から桃園国際空港を経て中歴市を結ぶ鉄道「桃園機場捷運」が建設中(2013年開通予定)
ですが、新線など建設しなくても高速鐵路の桃園駅から空港までたった数kmの高速鐵路支線を引けば済む事
ぢぁあないかと思います。このあたりの事情は外国人には分かりません。

桃園国際空港のターミナル・ビルは第一(古い方)と第二(新しい方)に別れ、航空会社によって発着するビ
ルが異なります。高速バス乗り場は両方のビルにあり、空港に到着した各社のバスとも両方のビルに寄って乗
客を降ろしをします。乗客は自分の乗る航空会社の発着するビルを把握しておく必要がありますが、万一、間
違えてバスを降りたとしても、両ビルの間は無料のゴム・タイヤ式電車で結ばれているので、両ビル間の移動
は可能です。なお、2011年10月時点では、第一ビルは営業しながら改装工事中でした。また、第三ビルも建設
予定だそうです。

ところで、2011年10月の旅行からの帰国時に、桃園空港を離陸した飛行機の窓から眼下の風景を眺めていて空
港の近くに建設中の高架線路が見えました。建設中の駅舎も見えましたが、高架線路の所々がまだ途切れてい
ました。完成まで少なくとも1年はかかりそうです。

各社のバス路線については、台湾情報サイト「旅旅台北」の「空港リムジンバス」のページに詳しい説明があ
るので、そちらを参考にしてください。自分の宿泊するホテルに最も近い路線を選ぶと良いのですが、台北初
心者の方は、國光客運の台北車站行きバスをお勧めします。大有バスや長栄バスは、台北市内に入ると大手ホ
テルを巡回するので、台北の地理に詳しくない方は方向感覚を失って、今どこにいるのか判らなくなると思い
ます。その点、國光客運の台北車站行きバスは、高速道路を降りてから終点の台北駅前まで最短経路で南下す
るので場所を把握しやすいですし、仮に途中のバス停で降り損なったとしても、少なくとも台北駅前に到着す
る事はできます。なお國光客運の台北行きには松山空港行きもありますので注意してください。

それから、バスは高速道路を降りて市内の一般道に入ると途端に遅くなるので、お急ぎの方は高速道路を降り
て最初の地下鉄駅前のバス停で下車し、地下鉄に乗って目的地へ向かうという手もあります。「最初の地下鉄
駅前のバス停」は、バス路線によって異なりますが、國光客運および大有バス西線なら円山站、長栄バスなら
雙連站です。


では、第一ターミナル・ビル発着の航空会社の飛行機で台湾に降り立った場合の、バス乗り場への経路を説明
します。2011年10月に訪台したところ第一ターミナル・ビルの改修工事が進んでおり、バス乗り場が移動して
いました。以前の場所は、到着フロアから出て左へ曲ってすぐの所でしたが、新しいバス乗り場まではけっこ
う歩かされます。その間の通路の壁は板張の仮設の壁だったので、これから紹介する写真の背景も工事が完成
したら変っている可能性があります。

出国審査と通関を終えて出迎え人の待つ到着フロアに出て左へ曲がると、下の写真の場所に出ます。以前でし
たら、ここをまっすぐ進めばバスの券売所でしたが、今は何もありませんでした。なお、ここをまっすぐ進ん
で突き当りを左へ曲ると第二ターミナル・ビルへ移動するゴム・タイヤ式電車の乗場へ行くエレベーターがあ
ります。これは後で説明します。


第一ターミナル・ビル バス乗り場への経路
バス乗り場への経路


上の写真は2011年10月の撮影ですが、天井の案内表示の右端に「市區巴士↑」とあり、まっすぐ進むように表
示しています。確かに以前はここをまっすぐ進めばバス乗場でしたが、案内板が古いままです。新しいバス乗
場へ行くにはここの角を右へ曲ります。すると「→巴士乗車処」の案内板があるので、矢印の示す方向へ通路
を進みます。


バス乗り場への通路
バス乗り場への通路


このあたりの通路の壁は、仮設の板張です。工事完成後にはこの写真の風景と変っているでしょう。もしかし
たらこの通路そのものが存在していないかもしれません。この通路を進むとエスカレーターがあります。段差
はないので正確に言えばベルト・コンベア(動く歩道)です。このエスカレーターが恒久的設備なのか仮設な
のかはよく分りません。


エスカレーター
エスカレーター


エスカレーターを降りてからも、さらに案内板の矢印に従って通路を進みます。このあたりの壁は恒久的建築
物のようです。案内板も、ただ壁に貼ったパネルではなくて内部照明付の恒久的設備のようです。ところで、
下の写真を見ていて今気付きましたが、案内板の表示が「市區巴士」から「客運巴士」に変っています。用語
の統一が出来ていないのはいかがなものかと思います。いずれ空港側も気付いてどちらかに統一するかもしれ
ませんが。


バス乗り場への経路
バス乗り場への経路


上の写真の突き当りを右へ曲るとようやく空港バスのチケット売場にたどり着きます。以前のチケット売場の
場所と比べてずいぶん歩かされました。桃園機場捷運が開通した曉には、空港バスはアクセスの主役の座を降
りる事になるので、空港内の一等地を明渡させられたように思えます。


空港バスのチケット売場
空港バスのチケット売場


チケット売場にはバス会社各社の窓口が並んでいます。チケット売場から外に出ると各社のバス停が並んでい
ます。大きな字のバス停番号の下に小さな字でバス会社名と路線番号が表示してあります。


空港バス乗り場
空港バス乗り場


国光客運の台北行きの路線番号は1819番です。なお、下の写真は旧バス停時代のものです。


國光バス 台北行
國光バス 台北行


乗車券を買うと行李證というシールも一緒に渡されました。シールは同じ番号が書かれた2枚綴りになってお
り、バスの座席下のトランクに荷物を預ける場合は、荷物に片方のシールを貼ってから預け、降車時にはシー
ルの番号を照合して荷物を受け取る仕組みです。


行李證と乗車券
バス停



それでは話を冒頭の写真に戻しまして、第二ビル行き電車乗り場の経路を説明します。冒頭の写真の地点をまっ
すぐ進んで突き当りを左へ曲るとエレベーターがあります。


往第二航廈電車的電梯
往第二航廈電車的電梯


エレベーターを降りると、第二ターミナル・ビルへ向うゴムタイヤ式電車の乗場があります。


往第二航廈電車
往第二航廈電車


下の写真は第一ターミナル・ビル駅に停車する電車の中から第二ターミナル・ビルを撮影したものです。前方
右手の建物が第二ターミナル・ビルです。


坐着電車看了第二航廈
坐着電車看了第二航廈



次は、第二ターミナル・ビル発着の航空会社の飛行機で台湾に降り立った場合を説明します。入国審査と通関
を終えて、出迎えの人々の待つフロアに出たらまず右へ曲がり、「市區巴士」の表示の矢印に従って進みます。


市區巴士的表示
市區巴士的表示


まっすぐ進んで売店が見えてきたら、「市區巴士」の矢印に従って、更に右へ曲がります。台北までのバスの
所要時間は、約1時間ですので、この売店で飲み物などを買ってもよいでしょう。


売店
売店


通路
通路


右に曲がって通路を更に進むと、左手に高速バスのチケット売場が見えてきます。


チケット売場
チケット売場


チケット売場の外にバス停があります。


台北行き高速バスのバス停
バス停


なお、第二ターミナル・ビルの場合は、出迎えの人々の待つフロアに出た所に「旅客服務中心」があり、観光
パンフレットや地図を入手できます。


旅客服務中心
旅客服務中心


國光客運の台北車站行バスの終着点は台北駅の駅前停留所ですが、空港行きバスの出発点は台北駅の西にある
バス・ターミナル「台北西站A棟」です。台北の到着点と出発点は異なりますので注意してください。

最後に、帰国時の桃園空港行きバスについて説明します。台北市内各所にある各社バス停については、先に紹
介した「旅旅台北」の「空港リムジンバス」ページに詳しいのですが、首尾良くバス停を見つけたとしても、
そこで20分もバスを待つのは、初心者には心細いと思います。その心理につけ込んで不良タクシー運転手が片
言の日本語で「バス遅い、あなた間に合わないあるね」などと五月蠅くつきまとうので、台北初心者の方には
バス・ターミナル「台北西站A棟」発の國光客運のバスに乗る事をお勧めします。

2009年以前までは、國光客運のバス・ターミナルは、台北駅の西側に、東ターミナル(東站)と西ターミナル
(西站)が並んでいました。この西站と東站の名称は、二棟ならんだバス・ターミナルの西棟と東棟の区別で
あり、台北東站と言っても台北駅から見れば西側にあるという紛らわしい名称でした。ところが、2010年から
二つのバス・ターミナルの名称が変わり、従来の台北東站は「台北西站A棟」、台北西站は「台北西站B棟」
と名称変更されました。さらに「台北西站A棟」は建物が新築され、國光客運専用ではなくてバス会社各社の
共用のターミナルとなりました。「台北西站B棟」は従来通り國光客運一社の専用ターミナルです。下の写真
のターミナル開業広告で「99年」とあるのは中華民国歴による年数表記で、西暦では2010年1月20日の事です。


台北西站A棟案内
台北西站A棟案内


台北西站A棟へ行くには、台北駅南側を東西に走る站前地下街を西に進み、Z3番出口から地上に出ます。


站前地下街Z3番出口
站前地下街Z3番出口


台北西站A棟
台北西站A棟


このバス・ターミナルは、各社のチケット売り場と乗車場所が並んでいます。空港行きの乗車券は国光客運の
1番窓口で売っています。乗り場は5番ゲートです。このターミナルからは大有巴士も空港行きの便が出てい
ますが、大有のバスは桃園のインターチェンジで高速道路を降り、一般道を走って空港へ向かうので少し時間
が掛かります。国光は高速道路の空港支線を通って空港へ向かうので、帰国で利用するなら国光をお勧めしま
す。台湾に到着して空港から台北へ向かう時で、多少ホテルへの到着時刻が遅れても問題はない場合は、大有
巴士を利用して桃園空港から高速道路までの一般道の沿線風景を観光する選択肢もあると思います。


バス・ターミナル内部
乗車券売場窓口


下の写真がバス乗場です。こちらのターミナルでは乗車券を買う時に行李證は渡されず、バスを乗車する時に
なって係員が荷物を座席下のトランクに入れるか聞いてきました。荷物を預ける場合は係員の指示に従ってく
ださい。


空港行きバス乗場
空港行きバス乗場


バスは、台北市内の停留所を巡回して客を乗せた後、高速道路に入って空港へ向かいます。空港での停留所は、
第一ターミナル・ビルと第二ターミナル・ビルの二カ所(第三ターミナル・ビルも建設予定)ですので、自分
の利用する航空会社がどちらのターミナルから発着するかを把握しておく必要があります。もし間違って降り
てしまったら、両ビル間を往復する無料のゴム・タイヤ式電車で移動してください。




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