中国、蘇州散策 2010年 5月 30日 〜 6月 3日


万博見学を主目的とした上海旅行の前に、蘇州を観光して来ました。蘇州は、2004年の上海初旅行時に日帰り
で観光した事がありますが、蘇州で宿泊するのは初めてです。旅行の準備として蘇州観光に関する情報収集に
務めましたが、ガイド・ブックの蘇州情報は、上海編にオマケ程度に収録されているくらいです。ネットで蘇
州情報を捜すと、下記のサイトがありましたので紹介します。なお、「蘇」の簡体字は、草冠の下に「力」を
書いて、「力」の両側に点を付けた字です。

・エクスプロア 蘇州ページ

・電子地図サイト 公交行蘇州蘇州観光案内

・情報サイト 中国OK!

・エッセイ「蘇州散策」
  このサイトは帰国してこのページの作成時に見つけましたが、おすすめです。蘇州の観光ガイドとしては
  市販のガイド・ブックを遙かに超える情報の質と量です。

・蘇州観光局「古典的な蘇州」(日本語版)

以上は日本語のサイトです。以下は中国語のサイトです。

・蘇州観光局公式サイト蘇州市政府公式サイト観光頁



5月30日の昼過ぎに関空発のANA便で上海浦東空港に到着し、長途汽車(長距離バス)で蘇州に向かいました。
ANA便の発着は航站楼2(第2ターミナル・ビル)ですが、長距離バス発着場は航站楼1(第1ターミナル・
ビル)にあります。


上海浦東空港到着



入国審査と税関検査を終えて出迎えフロアを通過し空港駅へ向かう途中に、インフォメーション・センターと
コンビニがあります。インフォメーション・センターでは蘇州のパンフレットを捜したのですが、置いてあっ
たのは上海観光の物がほとんどで、蘇州の物はありませんでした。コンビニは他に見あたりませんでしたので、
ここで飲み物を買っておく事を勧めます。

旅游咨詢服務中心


便利商店



航站楼2から空港駅へ通じる通路



地下鉄2号線が延伸して浦東空港まで来ていました。地下鉄とリニアの空港駅は、航站楼1と航站楼2の中間
にあり、地下鉄の改札口とリニアの改札口は向かい合っています。航站楼2から航站楼1へ移動する場合は、
両改札口の間を通過する事になります。リニアの改札口は右手、地下鉄の改札口は左手となります。両改札口
を通り過ぎて更に長い通路を進むと、航站楼1に到着します。


磁気浮上列車の改札口


地下鉄の改札口



空港駅から航站楼1へ通じる通路



長い通路を抜けて航站楼1に入ったら、廊下を左に曲がります。


航站楼1内の長距離バス・ターミナルへの通路



廊下を突き当たった所で右に曲がってすぐの所にエレベーターがあり、このエレベーターで1階へ降ります。


エレベーター



エレベーターで一階に降りるとすぐそこに出口があり、外へ出るとそこが長距離バスの発着場でした。少し先
に見えているのが券売所です。蘇州まで84元でした。空港バスで上海駅まで22元。上海駅から蘇州駅まで特急
和諧号の一等席で31元ですから、ちょっと高いと思います。長距離バスの時刻表はこちらです。

長距離バス・ターミナル



バスは途中で上海虹橋空港に停車し、そこでも乗客を乗せてから蘇州へ向かいます。虹橋空港での停車時間も
含めて蘇州まで約3時間でした。終点のバス停は蘇州のど真ん中、人民路と干将路の交差点から干将西路を西
へ100mほど進んだ所にある、このバス会社の蘇州営業所前でした。

蘇州行き長距離バス



今回の蘇州旅行で予約した宿は、蘇州一の繁華街の観前街にある楽郷飯店です。下の地図は、観前街の街角に
掲示してあった案内地図を撮影したものです。南が上となっていますので注意して下さい。朱色で塗りつぶし
た通りが観前街、右端の南北の通りが人民路、上端の東西の通りが干将東路です。この地図の右上の角が蘇州
のど真ん中、ヘソとも言える人民路と干将路の交差点で、長距離バスのバス亭はその交差点から西(この地図
の枠外。右上角から右方向へ少し出たあたり)へ少し歩いた所でした。


観前街地図(高解像度)



地図右端の、観前街と平行した通りで観前街から南(上)へ三本目に、「大井巷」という通りがありますが、
楽郷飯店はその通りにあります。人民路から大井巷を見通せばホテルの建物は見えるので、初めての人でも
簡単に見つかるでしょう。

楽郷飯店 外観


楽郷飯店 ロビー


楽郷飯店 室内


楽郷飯店 トイレとシャワー


ホテルの立地は本通りから路地を一本入った所なので、ホテルの周囲は繁華街直近とは思えない閑静さです。
設備面では風呂場に浴槽がなくてシャワーだったのが残念(十分に浴槽を置ける広さはあると思う)ですが、
香港や上海の同クラスのホテルより部屋はずっと広く、また内装も綺麗です。このホテルは複数のホテル予約
サイトに掲載されていましたが、なぜか楽天トラベルは他の予約サイトより1000円ほど安くて、私は一泊298元
≒4000円で予約しました。私がこれまでに利用したホテルの中では最高ランクのコスト・パフォーマンスだと
思います。


では、蘇州一の繁華街である観前街を紹介します。

観前街西端


観前街の西端は、南北のメイン・ストリートである人民路と接しているので、こちらの方が人通りが多いです。


観前街東端


観前街の東端には牌坊があります。ちなみに街の入口などに設ける中国式の門で、屋根の付いてない様式の物
を牌坊、屋根付きの様式を牌楼と言うそうです。神戸南京町の長安門は牌楼となります。

東端は臨頓路という南北の通りと接しています。臨頓路と平行に水路が流れていますが、ずらりと駐輪してい
るバイクで水郷風情が台無しです。

臨頓路の水路



観前街の真ん中に道教寺院の玄妙観があります。観前街は玄妙観の門前町として形成されたと思われます。観
前街の沿道に建っているのは、仏教寺院で言えば山門に相当する建物で、先の地図を見ると正山門とあります。

玄妙観正山門 外観



ところが、正山門の中は「玄妙黄金」という宝飾店になっていました。陳列ケースの向こうに神像が安置され
ています。

玄妙観正山門 入口


玄妙観正山門 内部



2004年の前回の蘇州日帰り旅行で来た時は、このような宝飾店は存在せず、この山門を通り抜けて奥の本堂に
行けたのですが…

玄妙観正山門 外観 (2004年撮影)



蘇州一の繁華街のそのまたど真ん中、つまり蘇州で最も地価の高いであろう場所に立地の建物を、人が通り抜
けるだけの「門」として利用するのは勿体ないので、宝飾店に賃貸して家賃収入を得る事にしたのでしょうか?

正山門の壁に嵌め込まれた案内板によると、「玄妙観は建ち並ぶ道教寺院の総称で、寺院内は文物遺跡が多く
あり、我が国でも数少ない完整した道教寺院建築群で、宋代建築の群体風貌を保留し、歴史上かつては蘇州の
宗教文化の中心で、現在は蘇州における道教活動の主要場所となっている」そうです。そんな重要な宗教施設
で神像を押しのけるように商品の陳列ケースを並べて商売に勤しむとは…この道教寺院の本尊は商売の神様?

正山門の案内板



正山門の横を回り込んで奥に進むと、本殿の三清殿があります。拝観料がいるので入りませんでした。

三清殿



正山門と三清殿の間の境内の両側には土産物屋が並んでいます。

玄妙観の土産物屋


心意礼品店



チャイナ・ドレスを模した携帯電話入れの袋を買いました。昨年に北京で同様の袋を買った時は、粘って交渉
しても5.5元だったのですが、その袋をこの店のおばさんに見せて「これを北京で3元で買った」とハッタリを
言って、10個で40元に値切りました。

携帯電話袋



美羅超級市場


観前街でスーパー・マーケットを発見。観前街の西の端で通りの南側に面しており、売り場は地下にあります。
となりのスタバを目印にして捜してください。


太鼓演奏


観前街を歩いているとドンドコという太鼓の音が聞こえて来たので、音のする方へ行ってみると、ショッピ
ング・ビルの入口で、太鼓チームが演奏していました。新装開店の景気付けの演奏かとは思いますが、それ
を示す垂れ幕もなくチラシを配る訳でもなく、道行く人々は熱演する彼らを無視して通り過ぎていきます。

彼らの孤独な太鼓演奏は「動画頁 蘇州編 1」に収録しています。


鉄路車票代售点


観前街に鉄道切符の代理販売所がありました。場所は玄妙観の真ん前のT字路を南へ少し進んだ所の右側です。
蘇州に着いたらまず四日後の上海行きの切符を買わねば、と思っていたので大助かりです。切符代に手数料5
元が加算されますが、蘇州駅まで買いに行く手間を思えば安いものです。


蘇州地図


街歩きには詳細な地図が必要ですが、私は観前街の書店で上の地図を買いました。値段は6元。杭州旅行時に
街の2元ショップで買った杭州市地図に比べると割高ですが、ちゃんとレシートも発行している大きな書店な
のでボッタくりという訳ではなくて、この種の地図は6元が相場なんでしょう。上海に移動する日に蘇州駅前
にいた地図売りのおばさんに値段を聞いてみると、5元と2元という返事でした。もしかしたら安い方は昨年
の版かもしれません。

蘇州地図(高解像度)


広げるとA1くらいの大きさで、蘇州市全域の地図が載っていますが端っこに中心部の詳細な地図があります。
小さな活字ですが、蘇州市旧市街の全ての通りの名前が書いてあります。下の写真の左側は、「地球の歩き方
上海編」に掲載されている蘇州の地図ですが、全ての通りの名前が記載されている訳ではありません。

ある目的地を目指して地図を見ながら街歩きをする場合に、通りの名前が地図に記載されていないと、自分が
今どこを歩いているのか判らなくなります。一つの街の歩き方に関する情報さえ満足に掲載していないのに、
「地球の歩き方」とはまた大仰な書名を名乗っているものです。


蘇州の旧市街は、東西約3km南北約4kmの長方形で、周囲は外城河という運河(濠でもある)で囲まれています。
現在はほとんど残っていませんが、濠の内側にはかつては城壁がありましたので、旧市街地区を城内と呼びま
す。城内の道路は碁盤の目状で、大通りと平行に小舟が通れるくらいの水路が引かれており、それがけっこう
残っています。つまり水路も碁盤の目のように引かれています。

江戸時代の大阪の地図を見ると碁盤の目のように水路が引かれ、正に水の都、東洋のベニスと言うべき街だっ
たのですが、現在はほとんど埋め立ててしまって残っているのは道頓堀くらいです。しかし蘇州は違います。
城内を碁盤の目のように水路が走っています。

平江区の水路




ただし水質は良いとは言えません。ドブ川と化してプ〜ンと臭う所もたまにありますが、公平を期する為に証
言すると、臭うのは局所的に水の流れが滞っている所で、ほとんどの箇所は魚が生息できるくらいの水質です。

水路の魚



水路沿いに古い民家を改装した画廊がありましたが、おそらく観光客向けでしょう。

画廊



西瓜売りの行商人二人が路地裏の木陰で中国将棋を指していました。

路地裏



路地裏では犬も昼寝しています。

犬



これはペットではないでしょう。毎日、新鮮なタマゴを食べるため。

ニワトリ



双塔の東側から南東方向に伸びる水路を辿って、十全街東端の封門(封の字の上には草冠が付く)へ向かいま
した。このあたり(滄浪区)の住宅は、さきほどの平江区より高級のようです。

滄浪区の水路





外城河は現役の運河として使われており、観光船が頻繁に往来していました。蘇州郊外の南から北西方向へは
京杭大運河が引かれており、外城河から南方向と西方向へ京杭大運河に連絡する水路があります。

外城河



封門の石橋(封の字の上には草冠が付く)


封門から城内へ入った通りが、観前街と並ぶ繁華街の十全街です。洒落たブティックやカフェが建ち並び、観
前街とは性格の異なる繁華街ですが、繁華街の規模では観前街にはとても及びません。何よりも、レストラン
が少ない事が旅行者には致命的です。私の旅行計画の段階では、十全街にある蘇州飯店も宿泊先の候補だった
のですが、楽郷飯店を選んだのが正解でした。

十全街


十全街の商店


蘇州飯店



蘇州は、上海よりはクルマが少なくて歩きやすい街ですが、歩行者に仕掛けられた罠もあります。下の写真の
立体交差は、○門(○は門構えの中に「昌」が入った字)から西へ進んで留園へ向かう途中にあります。私は
この交差点を右へ曲がりたいんですが、交差する道路へ歩行者が上がる階段は、左側の歩道にしかありません。

立体交差



人民路と白塔路の交差点から西へ進み城外へ出る境界の門が、○門(○は門構えの中に「昌」が入った字)で
す。どうも復元した建築物らしく門の上の建物は喫茶店を営業しています。

○門(○は門構えの中に「昌」が入った字) 正面から


○門 斜めから



この門は道路の門だけでなく、水路の門も併設されています。

○門の水門



水門を出た水路は楓橋路に沿って西へ伸び、京杭大運河に合流します。その合流点の近くに寒山寺があります。

楓橋路沿いの水路



○門(○は門構えの中に「昌」が入った字)の水門と外城河の合流点から北西に延びる水路(山塘河)があり、
山塘河沿いの明清時代の街並みを再現した商店街が山塘街です。山塘河を北西に進んだ先に観光名所の虎丘が
あります。

山塘河と外城河の合流点 遠景


山塘河と外城河の合流点 近景



山塘街の牌楼


山塘街の入口には牌楼があります。牌楼と牌坊の違いは屋根の有無です。屋根付きが牌楼。


八角堂?


目立つ建物ですが、名前は知りません。用途も判りません。この写真を撮った時はもう夕暮れで薄暗い写真
だったので、事後処理で明度とコントラストを調整しました。色調がちょっと不自然なのはその為です。


山塘河


あずま屋の左川の水路が山塘河、あずま屋の右側の人が歩いている所が山塘街の入口です。


山塘街のメイン・ストリート



山塘街の商店には、高級そうな土産物店もありますが、商店街としての統一感はもう一息というところです。

商店







覗きカラクリの大道芸人


杭州にいた覗きカラクリの大道芸人とは別人でしょう。ちょっと調べてみると、この大道芸は「拉大片」また
は「拉洋片」と言う、伝統民間芸能の一種だそうです。


撮影中


山塘河を跨ぐ石橋の上で、広告か何かの写真の撮影現場に遭遇。

撮影終了



石橋


その石橋です。石橋の手前の赤い屋根は遊覧船です。


石橋を渡った路地裏



修復前の建物


山塘街の建物は明清時代の建物を模していますが、北京の前門大街のような新築の似非歴史建造物ではなくて、
本当に古い建物(明清時代かどうかは知りませんが)を修復して使っているようです。

修復工事中



山塘街の北西の端は、観光船のたまり場になっています。ガイド・ブックによると虎丘へ行く便もあるとか。

観光船


山塘街の北西端の入口にチケット売場がありますが、山塘街の散策は無料です。このチケットは山塘街に点在
する古い建物や博物館への入場に必要だそうです。


財布の中にいつのまにか…


蘇州観光を終えて財布の中を点検するとこんな物が入っていました。どこかの店で釣り銭を貰った時に掴まさ
れたのでしょう。こういう情緒のある街でもやはり中国です。油断ができません。釣り銭を貰う時はしっかり
確認しなければ。もしこの金属板に気付かず買い物の支払いに出したら、偽金使用の現行犯で警察に突き出す
と脅されて高額の罰金の支払いを要求される可能性が、絶対ないとは言えませんから。


人民路の路線バス(高解像度)



蘇州市では2010年現在で地下鉄の建設中で干将路は全面的に工事中でしたが、地下鉄が完成した後でも、楽郷
飯店から蘇州駅へ行くには人民路を走る路線バスを利用した方が便利です。上の写真は人民路の南方の三元坊
というバス停で撮影したものですが、観前街から蘇州駅へ行く場合は、「察院場観前街西」から「火車站」へ
行く路線、すなわち、1、游2、游4、101、に乗ればよい事がわかります。


蘇州駅 駅舎


蘇州駅 駅舎(2004年撮影)


2004年撮影の写真も掲載します。「うだつ」が上がっています。


駅舎内


電光板の案内に従って、待合室へ行きます。


待合室


一等席の切符を買ったので一等客専用の待合室が別にあると思いますが、よく判らないのでここで待ちました。


売店


待合室の売店の品揃えはそれほどありません。パンや飲み物を買うなら、駅前のコンビニをお勧めします。


プラットホームへ


プラットホームへ移動します。駅の北側に隣接する巨大な建造物は、おそらく高速鉄道用の新駅でしょう。


プラットホームにて


一等車輌の場所に来ると、既に外人観光客がたくさんいました。待合室で彼らの存在には気付かなかったので、
やはり一等客の待合室は別だったのでしょう。この場所に停車する車輌の番号は、階段に書いてありました。


通過列車


向かいのホームを新幹線車両のCRH2型が通過しました。


上海行き和諧号


到着した上海行き和諧号は、CRH1型でした。


和諧号一等席


最高時速239km


最高時速を出した瞬間の写真を撮るべく、ずっと電光掲示板をカメラで狙っていましたが、約40分で上海に到
着してしまい、蘇州上海間の沿線風景を撮り損なってしまいました。


上海駅



上海駅に到着しました。蘇州も近くなったものです。ところで、帰国後のニュースによると、上海南京間に最
高速度350kmの高速鉄道新線が開通したそうです。すんでの差で高速新線に乗り損ねました。


以下の内容は別頁で紹介します。

・蘇州中華三昧蘇州園林探訪蘇州の名所旧跡



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