澳門(マカオ) その4  2011年 4月 16日 〜 19日


2011年の4月16日から26日にかけて、マカオから珠海・広州を経て香港を回ってきました。2008年のマカオ旅
行と同じ経路です。2008年は珠海を通り過ぎただけですが珠海で一泊した点が違います。マカオへは香港国際
空港から国際便扱いのフェリーで行きましたが、その乗継ぎ方法は本サイト「番外編3」を参照してください。


今回のホテルは、以前も泊ったことのある京都酒店です。観光目的ならここの立地は抜群です。以前は窓のな
い部屋に当りましたが、今回はまどのある部屋になりました。まぁ、そんなに眺めはよくないので、窓のある
部屋の利点は朝が来た事が判るくらいですが。設備は少々古びていますが、一泊8000円でこれだけの広さがあ
れば私には十分です。

京都酒店


ロビー


客室(ベッド側)


客室(デスク側)


シャワー



今回の旅では、落穂拾い的にまだ行っていない所や写真を撮り逃した所を見て回りました。まずマカオ半島の
先端部を巡りました。まずは、周囲にポルトガル風住宅が残るリラウ広場です。

リラウ広場横の坂道


リラウ広場


ポルトガル風住宅





リラウ広場から向かいの路地を入った所に富豪の鄭氏の屋敷だった鄭家大屋があります。同じく世界遺産の盧
家大屋よりずっと広いです。ゴミゴミとした住宅街の中にこんな立派なお屋敷があるとは意外でした。入館料
は無料なので、媽閣廟や港務局大楼などの周辺の他の名所へ行くなら盧家大屋も見学する事をお勧めします。

鄭家大屋 模型


上の写真は、鄭家大屋に入ったところの展示室にあった模型です。一番手前に入口が面する路地をこの模型の
左方向へ行くとリラウ広場に出ます。入口を入って最初の建物を抜けると壁に開いた丸い穴とその先に伸びる
通路がありますが、それが下の写真です。

奥に伸びる通路


この通路の右側の壁の向うは庭になっています。模型の写真で右下端にある縦に長い長方形の庭がそれです。
通路の左側の建物は展示室になっていて、模型はそこに展示されていました。

手前の庭(長方形の庭)


模型で右下端にある庭から奥方向へ建物を一つ抜けると三角形の庭があります。

奥の庭(三角形の庭)


三角形の庭に接する建物が鄭家大屋の中心的な建物です。入口に「通奉第」の額が掲げられています。「第」
には屋敷という意味があるので、「通奉第」がこの建物の名称でしょう。

通奉第


通奉第の左横に正方形の中庭があります。

中庭


建物の内部は上品なモノトーンで統一され、ゴテゴテと装飾を施した本土の中国風宮殿に比べれば簡素な作
りですが、欄干などの細部には丁重に装飾を施しており、現代にも通用するセンスの良さを感じます。

廊下


餘慶


室内一階


室内二階





前回の旅行では、港務局大楼の夜のライトアップされた写真を撮ったので、今回は昼の写真を撮りました。

港務局大楼 道路側


港務局大楼 側面


港務局大楼 回廊


残念ながらこの回廊の先は修復工事中で立入り禁止でした。


マカオ半島先端の小高い丘の上にあるペンニャ教会へ行きました。セナド広場からは少し離れている上、坂を
登らないといけないので観光客は比較的少ないです。この時は新婚さんが結婚アルバムの撮影をしていました。
動画はこちらです。
ペンニャ教会


聖堂正面


聖堂内部


祭壇


中国の空気はいつもスモッグでタワーに登っても遠景は霞んでいますが、この日は空気が澄んでいてペンニャ
教会前からの眺望は素晴しかったです。この日は有料でもマカオ・タワーに登る価値はあったかもしれません。

マカオ・タワー


西湾大橋


タイパ大橋



ポルトガル人が聞き間違えて「マカオ」の地名の元になったという媽閣廟を参詣しました。山の斜面に沿って
四つのお堂が建てられており、全体で見ればけっこう大きな寺院です。

媽閣廟 正門


正覚禅林殿入口


正覚禅林殿内部


石段


中段のお堂


大岩


上段のお堂


うずまき線香


境内のあちこちに吊されて煙りを出しているうずまき線香は、それぞれに寄進した信者の名前や願事を書いた
短冊が付いています。線香の燃焼時間に比例して、神様は願事を叶えてくれるという信仰でしょうか。境内で
は大中小の各種サイズのうずまき線香を売っていました。


媽閣廟を出ると向いの海事博物館前に竹で組んだ仮設の建物がありました。覗いてみると芝居小屋でした。

海事博物館前の芝居小屋


芝居小屋の床下


さすがに床を支えるのは竹では無理のようで、金属パイプも使われています。

芝居小屋の舞台


公演のポスター


芝居小屋の出し物は粤劇でした。"粤"は広東地方の古い呼称です。京劇とは北京地方で北京語で行われる古典
劇の事ですが、粤劇は広東語で行われる広東地方の古典劇です。例えるなら江戸落語と上方落語の違いですか。


セナド広場へ行くと、民政総所から見て左手前の、義順鮮乳が入居していたビルに鉅記餅家が店開きしていま
した。義順鮮乳は新馬路(セナド広場と民政総署の間の道路)をリスボア方向へ100mほど歩いた所に移転して
いました。なお、店の看板の「鉅記手信」の「手信」は、中国語である土地の特産品のお土産の意味です。

鉅記餅家 セナド広場支店


お土産


腰果はカシューナッツ、合桃はクルミ、曲奇はクッキーの意味です。葡式はポルトガル式の意味ですが、普通
に洋風のクッキーでした。実はこのお土産は、実はマカオでは買わず鉅記餅家の香港支店で買いました。マカ
オから広州、香港と移動する予定で、香港にも支店がある事は知っていましたから、移動中の荷物は少ない方
が楽です。お土産を渡した相手にはマカオ土産という事にしましたが。(^_^;


移転した義順鮮乳公司



これまでのマカオ旅行でセナド広場から聖パウロ聖堂跡へ行く途中に、聖ドミニコ教会の前は何度も通ったの
ですが、ガイドブックを良く読むとこの教会に博物館が附設されているそうなので、今回初めて見学しました。

聖ドミニコ教会正面


聖ドミニコ教会附設博物館入口


通路を奥に進む


階段を上がる


二階展示室


三階展示室


四階展示室



ドッグレース場(澳門逸園賽狗會) 正門


私は競馬には興味がなくて行った事はありませんが、ドッグ・レースは日本では見られないのでどんなものか
と興味本位でマカオ・ドッグレース場(澳門逸園賽狗會)へ行ってみました。ところで最初に断っておきますが、
ここの内部は撮影禁止でした。そういう事とは知らずに写真を撮っている最中に職員に見つかって注意され、
レースそのものの写真は撮れませんでした。( ̄□ ̄;)

撮影禁止と言えばカジノ場もそうでしたが、なぜ禁止かをおもんぱかるに、ギャンブル客のプライバシー保護
ではないでしょうか。ギャンブルには行かないと嫁さんに約束した旦那がこっそりとギャンブル場に来ていて、
それが偶然に写真に撮られてネット上に掲載され、嫁さんにバレたら家庭崩壊の一因となりかねません。しか
し職員に注意されるまでに撮った写真をお蔵入りさせるのは非常に辛い。そこで観客の顔が個人が特定できる
ほどはっきりは写っていない写真を選んで掲載する事にします。今後の場内警備がより厳重になって場内で写
真を撮ろうとした人間は即退場といった処置になる可能性もありますので、この写真をみて「俺もレース場の
写真を撮ってやろう」という方がおられても、その結果について私は責任を持ちませんのでご注意ください。

と、まぁ説教はこれくらいにして結論を申しますと、競馬場を馬から犬のサイズに縮めた施設と思えば間違い
はありません。私は興味深く見物しました。入場料は10パカタですから、ギャンブルに興味がなくても犬好き
の方なら見学するのも一興かと思います。場所はモンハの砦(モンテの砦と間違えないように)の西の麓あたり、
正門は白朗古將軍大馬路に面しています。

観客席


犬券売場


競犬新聞


モンハの砦から見たドッグレース場(2009年撮影)


2009年の旅行でモンハの砦の頂上から撮った風景の中にドッグレース場が写っていたので、その部分を切抜き
ました。トラックの内部がサッカー・コートになっているとは、現場にいる時は気付きませんでした。

パドック


パドックでこの写真を撮っている時に職員に見つかって注意されました。それまでも他の職員、警備員とは何
度もすれ違っていたのですが、私があまりにも堂々と写真を撮っているので怪しまれなかったのでしょうか。

ゲート


コース


ゴール


レースは夜7時から15分間隔で、1レースに6頭ほど出走し、18レースほど行われます。レース前にはパドッ
クで犬の紹介があります。パドックからゲートに移動する時、やはり犬も緊張するようで次々とおしっこをし
ます。中にはへたり込んで大きい方をする犬もいます。(^_^;すると箒とちりとりを持った係員がやって来て
清掃します。犬をゲートに押し込んで、電気仕掛けのダミーの兎がシューと音を立てて動きだし、ゲートが開
くと犬は一斉に兎を追いかけて走ります。一周500mのトラックを約40秒で駆け抜けるので、計算すると時速45
km!一つのレースはあっという間に終わります。私は4レースほど見学しましたが、その中の一つのレースで
一匹だけ大幅に遅れてゴールした犬がいて、その犬はゴール後に担架に乗せられて退場しました。走っている
途中で捻挫でもしたのでしょうか。犬にとっては過酷なレースのようです。


リスボアの裏手の道路沿いの細長い公園の中に八角形の2階建ての小さな建物があります。2階の天井が異様
に低いアンバランスな外観が心に残り、その正体をたしかめるべく昼間に行ってみると、小さな図書館でした。
入り口の上の壁には金文字で「澳門中華総商会附設閲書報室」と書かれています。ところで先に白状しておき
ますが、館内で写真撮影をしていると係員に注意されました。この図書館に機密はないと思うので、来館者の
プライバシー保護が目的だと思われます。この味のある図書館を写真付で紹介できないのは惜しいので、注意
されるまでに撮った写真の中から個人を特定できるほど明確に閲覧者が写っていない写真を選んで掲載します。


澳門中華総商会附設閲書報室(八角亭)


入口


一階


二階


入り口から入ると、机に座っている係員から札を手渡されました。この札をどうするのかと思っていると、奥
の机に座っている係員を指さすので、そちらに行って札を差し出すと、奥の係員はそれを受け取りました。帰
る時は出ようとすると係員に制止されて奥の机の係員を指さすので、奥の係員の方へ行くと札を手渡され、そ
れを持って入り口の係員に行くと係員が札を受け取り、外へ出る事を許されました。入室料を徴収される事は
なく無料で入れたのですが、この札のやりとりは恐らく図書室の中にいる閲覧者の人数をリアルタイムで把握
する為だと思います。奥の係員の手元にある札の数が現在図書室の中にいる閲覧者の人数となります。すると
定員オーバーで入室を制限される事があるかもしれません。しかし人数把握の為なら係員を二人も費やす必要
はなく、入り口側の係員1人でもできる事だと思いますが。

閲覧者のほとんどは新聞を読んでいました。蔵書は当然ながら中国語の書籍で私は読む気力はありませんが、
この不思議な建物の中に入れた事で私は十分に満足しています。ここは地元の一般市民の為の図書室であり、
外人観光客が集団でガヤガヤを騒ぎながら入るような場所ではありませんが、興味のある方は1人でこっそり
と尋ねてみてください。


京都酒店から道路を渡った向いにポルトガル・マカオ料理店の沙利文餐庁(ソルマー)があります。マカオの
後は広州と香港へ行く予定で広東料理を食べる機会はいくらでもあるので、マカオ滞在中の夕食はこの店でマ
カオ料理を食べました。一皿の分量は少なくとも二人分はあるので、完食するのは大変でした。

沙利文餐庁(ソルマー)


店内



スープ


野菜炒め


アフリカン・チキン


スープ


茹でレタス


メニューの漢字を見てキャベツと思っていたのですがレタスでした。レタスはあのシャキシャキした食感が魅
力であって、茹でてグニャッとなってしまっては美味いものではありません。

舌平目のムニエル


マンゴー・プリン


いや〜、食った食った。(^¬^)


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