澳門(マカオ) その3 2009年 12月 29日 〜 2010年 1月 1日


2009年の夏に、2010年正月前後のキャセイの関空香港往復航空券が約5万円という安値だったので衝動買いし
てしまいました。航空券が破格の値段だったのは、夏の時点では新型インフルエンザが冬に再流行する懸念が
あったので、航空会社としても売れる時に売って乗客を確保したかったのでしょう。という訳で、私は2009年
12月26日に関空を出国してまず香港に到着し、尖沙咀のホテルで3泊して澳門に移動、澳門で3泊して2010年の
新年を澳門で迎え、香港に戻って香港島のホテルに2泊してから帰国しました。このページは澳門で過ごした
年末年始をレポートします。

澳門における今回の宿は、新口岸地区にある帝豪酒店(HOTEL EMPEROR)を選びました。世界遺産見物が目的
なら、前回の旅で泊まった京都酒店の方が立地は便利ですが、リスボア等の老舗カジノが密集する新口岸地区
の、今にも路地裏からマフィアが飛び出してきてドンパチ始めそうな怪しげな雰囲気を味わってみたくて、そ
の地区のホテルの中では安価だった帝豪酒店を選びました。しかし、私はカジノには興味がないので、立地に
関して言えばやはり京都酒店の方が良かったです。

帝豪酒店の場所は、フェリー・ターミナル方面から友誼大馬路を西へ進みんで何賢公園前を通り過ぎ、置地廣
場酒店(ランドマーク・ホテル)の次の路地(上海街)を北方向へ曲がってすぐの所です。


友誼大馬路


上海街



帝豪酒店と友誼大馬路の間には、別の細長いビルが割り込むように建っていますが、友誼大馬路からその隙間
を通して帝豪酒店を見通す事ができます。しかし、帝豪酒店の建物の壁面にはホテル名の表示がありません。
あるのはホテル内に入居するサウナ(帝濠桑掌)の看板のみ。このホテルを捜して友誼大馬路を歩いてきた客
は、気が付かずに通り過ぎてしまうかもしれません。大通りから見通せる位置にありながら自分の屋号の看板
を出さないとは、商売が下手としか言いようがありません。上海街にはいるとホテルの玄関がありますが、そ
の左側にホテル名をささやかに表示してありました。


帝豪酒店外観


帝豪酒店玄関付近


帝豪酒店ロビー



帝豪酒店客室(ドア方向)


客室の広さは、同じ価格帯の香港のホテルより、ワン・ランク上でした。しかし客室が広いのは良いのですが、
風呂場と寝室の間の壁にガラス窓…。この構造はラブホ!風呂場が丸見えでは、友人と泊まるつもりの人には
このホテルを勧められません。

ガラスの外側にあったカーテンを引いてみましたが、カーテンはスケスケでした。しかし、ガラスの風呂場側
にも白いブラインドがある事に気付いてそれを降ろしたところ、視界を遮る事ができました。友人と二人で泊
まる予定の方も安心して下さい。

浴槽のカーテンとブラインド



帝豪酒店客室(窓方向)


部屋の間取りは長方形ではなく、窓側が三角形になって外へ突き出ており、三角形の友誼大馬路方向の辺が窓
なっています。私の部屋は最も南端だったので、窓から友誼大馬路を見渡す事ができました。

窓の外の風景(友誼大馬路)



ホテルから北に歩いて新口岸地区の路地裏に入ると、そこは林立する高層マンションの谷底で昼なお薄暗く、
雰囲気が悪くて、私はこの区域に対してあまり良い印象は持てません。けっして治安が悪いと言う訳ではない
のですが。

新口岸地区の路地裏




澳門滞在中の世界遺産見学と食べた物の記録は、下記のページにまとめましたのでそちらをご覧下さい。

世界遺産見物記

澳門食い倒れ


このページの残りは、それ以外のネタを落ち穂拾い的に紹介します。まずは、澳門の新年の雰囲気を。


民政総署前のステージ



仮設ステージの青い背景の中央には黄色い文字で「2009 聖誕快楽 新年進歩」とあり、その左右には白い文字
で「Merry Christmas & Happy New Year」と書かれています。つまり、この飾り付けでクリスマスと新年のお
祝いを兼用して行う訳です。日本人には考えられない発想ですが、二つの催しはたった一週間しか離れていな
いのですから、兼用すれば合理的です。日本人がなぜクリスマスを過ぎるとクリスマスの飾り付けをサッと取
り外すか考えてみると、正月のお祝いは神道で行うので神様の担当が異なるのでした。設備投資をケチって飾
り付けの兼用などをするとバチが当たる恐れがあります。その点、中国の本当の正月祝いは春節であって、こ
れは道教色の強いお祝いだろうと思いますが、クリスマスと西暦の新年はどちらも西洋伝来のお祝いで、兼用
して祝う事に違和感がないのでしょう。という訳で、クリスマスを過ぎてマカオにやって来ましたが、クリス
マスの飾り付けはそのまま残っていて、十分にクリスマス気分を味わう事ができました。


セナド広場のクリスマス・ツリー



大堂前広場の「東方三博士の礼拝」のプレゼピオ(昼)


大堂前広場の「東方三博士の礼拝」のプレゼピオ(夜)


調べたところ、このようにイエスの生誕の場面をパノラマと人形で表現したものをプレゼピオと言うそうです。
日本では「イエス・キリストは馬小屋で生まれた」と言われていますが、この場面には馬はいません。もしか
して「馬小屋」は「家畜小屋」の誤訳か?と思って調べると、やはり誤訳のようです。


夜にリスボアから北方向に歩いていて、道路沿いの公園の中に一風変わった建物を見かけました。地図で見る
と「八角亭」となっていましたが、昼間に通りかかって正体を確かめると、図書室のようでした。「澳門中華
総商会附設」とあるので、総商会の会員しか利用できないのかと思いましたが、公園の中にあるのだから、公
共施設のようにも思えます。次に行った時に、部外者も入れるようだったら内部を見学したいと思っています。
 注:2011年4月のマカオ旅行でこの建物に入ってきました。興味のある方はこちら。

八角亭


澳門中華総商会附設閲書報室



大晦日の夕方に澳門半島南端のペンニャ教会前の公園で、待機するテレビ局のカメラマンを見かけました。何
を撮るのかと思って後ろから覗くと、マカオ・タワーでした。恐らく、マカオの「行く年、来る年」的な番組
で、マカオ・タワーの映像を使うのでしょう。放映時刻まで6時間はあるでしょうが、それまでここに待機し
ているとは、TV局員も大変です。

ペンニャ教会前の公園で待機するTV局員


TVカメラのターゲット



望厦山市政公園(モンハの砦)に行ってみました。結論を言えば、砦は「モンテの砦」一つを見れば十分です。
この砦のある丘の中腹には旅遊学院という観光業従事者養成学校があります。その中のレストランは学生の実
習を兼ねていてリーズナブルと、ガイドブックには紹介されていますが、私の行った時は休暇中でした。


望厦山市政公園(モンハの砦)


旅遊学院



モンハの砦は砦の遺跡に大砲が安置された公園です。頂上から西方向にドッグ・レース場が見えます。


ドッグ・レース場


モンハの砦


公園の犬


この公園に犬がいました。首輪はないのでノラだとは思いますが、非常に人懐っこいので、公園に来た人に餌
を貰って生きているのかもしれません。物欲しげにこちらを見るのですが、もし情に流されて頭など撫でてや
ろうものならホテルまで着いてきそうな雰囲気でしたので、心を鬼にして視線を合わさないようにしました。
動画はこちらです。


盧廉若公園 門


盧廉若公園 池


盧廉若公園 池の太湖石


盧廉若公園 庭の太湖石


盧廉若公園 壁


カジノで財をなした盧廉若が作った中国古典様式庭園です。中国古典様式庭園として見るならば、中国本土に
もっと由緒のある名園が数多くあり、澳門に来て特にこの公園を鑑賞する必要はありませんが、狭い澳門の街
中に富豪が強引に庭園を造ったその有様は、澳門でしか見られない光景だとは思います。


盧廉若公園から東へ少し行った所にイスラム風装飾の洋館があります。私の持つガイドブックでは孫中山紀念
館と紹介されていますが、建物の入口には「國父祈念館」と書かれた額が掲げられています。中山は孫文の號
ですが、孫文を國父と称している事から中華民国関係の施設だと推測します。実際、図書室には台湾関係の書
籍が並んでいました。

国父記念館


天下為公の額


ベランダ


室内1


室内2


図書室


写真を見ての通り、かなかなか味わいのある建物だと思います。拝観は無料ですので、もし聖ミカエル墓地や
ギア要塞を観光するなら、ここにも足を伸ばしても損はないと思います。動画はこちら。


国父記念館の近くに松山ロープウェイの麓駅があります。片道2パタカ(≒25円)です。

松山ロープウェイの麓駅


松山ロープウェイの料金表


松山ロープウェイの山頂駅


麓駅からすぐそこに山頂駅が見えています。まぁ、2パタカなら乗ってもよいか。


最後に澳門回歸賀禮陳列館を紹介します。マカオの中国返還を祝って中国各省からマカオ政府に贈答した伝統
工芸品を一堂に集めて展示してある博物館です。どの展示物にも「○○省寄贈」の文字が入っているのが少し
宣伝臭いですが、面子を重んじる中国人ですので、他省の展示物に負けないよう各地の伝統工芸の粋を凝らし
た展示物が、木彫あり石彫あり金属工芸あり織物ありと、50くらい並んでいます。これが無料で見学できるの
ですから、お得な博物館だと思います。普段は静かな博物館ですが、中国人団体旅行客ご一行が到着すると、
とたんに騒がしくなるので、静かにじっくり鑑賞したい方は朝一に行く事をお勧めします。

澳門回歸賀禮陳列館 外観


澳門回歸賀禮陳列館 入口


貴州省 鋳銅罐寶石工芸品−歓楽鼓


河北省 花絲釀嵌工芸品−金獅歓騰九州圓


湖北省 編鐘−普天同慶


浙江省 竹編工芸品−滄海還珠


福建省 壽山石雕−春満大地


湖南省 菊花石雕−龍球


北京市 雕漆盤−花好月圓


広東省 水晶玉雕−九州同心









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