澳門から陸路、広州へ  2008年 4月 29日




29日は関閘を越えて珠海市に入り、高速バスに乗って広州へ向かいました。この計画を立てる段階で不安だっ
たのが関閘の入出境審査の混み具合です。前回マカオに来た時も関閘まで行って、あわよくば珠海市への日
帰り観光をと考えていたのですが、関閘辺検大楼に続々と入っていく運び屋とおぼしき中国人の列を見て、
その時は写真を撮るだけで帰ってきました。あの人混みにの中で入出境審査の列に並んだら相当の時間が掛
かるのではないかという危惧の念を持っていたところに、ネットで、マカオの西岸の埠頭と対岸の珠海市を
結ぶ渡し船があるという情報を知り、広州へ移動する前日にその埠頭を確かめる事にしました。

まず半島を南下して媽閣廟を見学しました。お祭りの真っ最中で派手な飾り付けがされていました。「幸運
にも」と言うべきなんでしょうが、廟の本来の姿を写真に撮れなかったので、本音は「残念ながら」です。


媽閣廟
媽閣廟


媽閣廟から半島西岸の道路(河辺新街)を北上すると桟橋があり、係留されている渡し船に人が乗り込んで
いました。これがその渡し船かと思って見ていると、係員がやって来て手振りで出て行くように指図しまし
た。どうやら一般人は立ち入り禁止のようです。渡し船に乗っていたのは質素の身なりの中国人ばかりでし
た。マカオで働く中国人労働者の為の、通勤専用の渡し船ではないかと推測します。


南 舟山 舟反 石馬 頭
南 舟山 舟反 石馬 頭


道路をさらに北上すると、一本道ながら道路名が河辺新街から火船頭街に変わり、新馬路と合流するちょっ
と手前あたりで、ようやくそのフェリー・ターミナルを見つけました。ターミナル・ビルは、火船頭街から
海側への道を入って右へ曲がった所にあり、ちょっとわかりにくいですが、火船頭街から道を入る所に下の
案内表示が出ています。珠海行きは一日14便で、係員に聞くと運賃は17元だそうです。この渡し船に乗った
としても、珠海市側の到着地点の交通事情が分からないので、今回の利用は避ける事にしましたが、次にマ
カオに来た時に、日帰りの珠海市観光でチャレンジしてみたいと思います。


内港客運碼頭の粤通船務有限公司の案内板
内港客運碼頭の粤通船務有限公司の案内板


ホテルへ帰る途中、新馬路の南を平行して走る福隆新街を通ってみました。ライト・アップされた夜景は、
聖美基街区のポルトガル様式の住宅街と似た雰囲気ですが、福隆新街の両側に立ち並ぶ商店の建物や石畳は、
中国様式です。


福隆新街
福隆新街


29日朝、関閘の入出境審査の行列に並ぶ覚悟を決め、3番のバスに乗って関閘へ向かいました。


関閘のバス停



関閘のバス停は地下にあります。エスカレーターで地上へ出ると、関閘辺検大楼前の広場に出ます。


関閘辺検大楼




2005年に来た時と雰囲気がちがいます。当時は、運び屋が列をなして荷物を載せたキャリーを石畳の上で
引っ張るゴロゴロという騒音が鳴り響いていたのですが、今回はキャリーを引っ張る人は皆無でした。法
律で禁止されたのか、はたまた経済状況が変わって運び屋という商売の儲けがなくなってしまったのか?

入境審査の窓口は、マカオ人、中国人、外国人、に分けられており、外国人の窓口に行列はありませんで
した。待ち時間ゼロであっけなく審査が終わり、珠海市に入る事ができました。関閘と接する珠海市側の
地名は「拱北」といいます。下の写真のように広場となっており、その向こうにビルが林立しています。

珠海市旅游局公式サイトはこちらです。ページの右側に「珠海市の電子地図」への入口があります。


珠海市拱北風景
珠海市拱北風景


広場の地下は地下街になっています。地下街への入口は広場の右側にあります。


地下商場
地下商場


地下1階の地下商場への階段を降りて、右に曲がると地下2階への階段があります。


地下2階への階段
地下2階への階段


この階段を下りた左手に、広州行きバスを運営する岐関車路有限公司のバス・ターミナルがあります。


岐関バス・ターミナル
岐関バス・ターミナル


乗車券売場
乗車券売場


広州市行きは4路線ありますが、華厦大酒店行きの切符を買いました。一時間に1便で65元です。華厦大酒
店は海珠広場沿いにあって地下鉄2号線海珠広場駅に近く、市中心部へのアクセスに便利です。一番便数の
多いのは中国大酒店行きですが、広州中国大酒店は地下鉄2号線越秀公園駅の近くにあるので、こちらに乗っ
ても良かったです。


乗車場所
乗車場所


待合所の出口の向こうにバスが数台並んでいました。ヒュンダイ製の新型のバスでした。元から路線バス用
途で製造され、正面上部に行先表示器を装備しているバスもあれば、観光バス用を流用しているらしくて行
先表示器は装備しておらず、行き先を書いた紙を前面の窓ガラスに貼り付けているバスもあります。困った
のが、行先表示器を装備しておらず、かつ、行き先の紙も貼り付けていないバスです。既に、運転士と数名
の乗客が乗っており、入口のドアを開けて待機しているので、このバス・ターミナルから出発する路線バス
の一台である事は確かであり、他の行き先表示をしたバスの中に広州行きがないので、このバスが広州行き
らしいと睨み、運転士に切符を見せながら乗り込むと何とも言わなかったので、やはりこのバスが広州行き
かと思って、バスの中で出発を待ちました。

出発直前になると職員が乗り込んで来て乗車券の検札を始め、乗り込んでいた乗客2名が行き先の間違いに
気づいて、慌てて飛び出していきました。行き先を表示していないんだから、地元の人でも間違えて当然で
しょう。これがもし日本のバス会社で、配車の都合で観光バス用の車輌を突然路線バスに回す事態になった
ら、職員なり運転士なりの誰かがノートのページをちぎってでも、行先表示の紙を作って貼り付けるはず。
始発のバス・ターミナルに待機していて何人もの職員が行き先表示の無いバスを目にしながら、誰も何もし
ないなどという事は考えられません。新型のバスを取りそろえてハード面では近代化が進んでも、ソフト面
では中国は相変わらずなんだという事が判りました。


広州行きバス車内
広州行きバス車内


車内は3列シートでゆったり座れます。乗客にはミネラル・ウォーターのペット・ボトルのサービスがあり
ました。広州市近郊まで高速道路で2時間でしたが、高速道路を降りてからは市内の渋滞の中を走ったので、
珠海市の拱北から広州市の海珠広場まで、約3時間の旅でした。


このバスを利用してマカオから広州へ行ってみようという方の為に、広州の到着位置を説明しておきます。
下の写真は地下鉄2号線海珠広場駅にあった案内板の地図です。駅からちょっと東に行った珠江沿いにバス
の終着点である華厦大酒店はあります。化の下に十を付けた字が華の簡体字です。駅と華厦大酒店の間の区
画が海珠広場で、公園になっています。バスは華厦大酒店の前に停まるので、200mも歩けば地下鉄に乗れる
はずだったのですが・・・


海珠広場駅周辺地図
海珠広場駅周辺地図


海珠広場駅の出口の位置に注目してください。出口は全て南北の道路(起義路、又に似た字は義の簡体字)
の西側にあります。地下鉄を建設したなら出入り口は道路の両側に設けるものという日本の常識は、ここで
は通用しませんでした。私は、地下鉄の出入り口を捜して起義路の東側の歩道を北上し、公園前駅まで歩い
てしまいました。この悲劇を繰り返さないため、海珠広場駅の出口をお教えしましょう。一番見つけやすい
のは、海珠橋のたもとの西側にあるA出口です。バスを降りたら珠江沿いに西へ歩いてください。


海珠広場駅出口A
海珠広場駅出口A








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