香港から澳門(マカオ)へ



2005年、8つの広場と22の建築物を含むマカオ中心地域が『マカオ歴史市街地区』として世界文化遺産に登録
されました。もし香港に旅行したなら、ぜひマカオにも足を伸ばす事をお勧めします。2008年時点では、マカ
オ航空が関空−マカオ国際空港間に週3便を運行していますが、ここでは香港経由でマカオに入る三つの経路
を紹介します。


・香港国際空港 → 澳門(マカオ)

香港国際空港の空港島内の桟橋から、珠江デルタの各地へ向かうフェリーがあります。2008年に旅行した時は、
このフェリーは航空機と同等の国際便扱いでした。香港国際空港で航空機の乗り継ぎ便を利用するのと同様の
手続で、到着フロアから出発フロアへ移る時にX線検査を受けました。しかし2011年に旅行した時は、フェリー
への乗継ぎ客は乗継ぎカウンターでチケットを買った後、航空機への乗継ぎ客とは別経路でフェリー・ターミ
ナル・ビルへ移動するシステムになっており、フェリー乗継ぎ客に対するX線検査はありませんでした。

まず「マカオ観光局公式サイト」の「アクセスルートの頁」の「香港を経由してマカオへ」の「香港乗り継ぎ
でマカオへ直行するフェリー」の章を読んで下さい。ただし「ターボジェット・シー・エキスプレスの乗り継
ぎ方法」をクリックして出てくる香港国際空港の到着フロアの見取図と説明文は間違っています。説明文では
「飛行機から降りた後、空港内の 『Transfer Areas Ferry Transit E1』 の表示に沿って進む」とありますが
フェリーの乗継ぎチケット売場があるのはE2です。また見取図ではE2の位置を示していますが、この図も
間違いです。E2があるのは到着フロアの通路を入境検査所方向に進み、検査所の手前で右へ曲った所です。
香港国際空港公式サイト到着フロアの見取図はこちらです。また、 フェリーの時刻表はこちらです。

時刻表の右側の列で「香港國際機場至珠三角港口」とあるのは、「香港国際空港から珠江デルタ各地の港へ」
の事で、「船班編號」は船便の番号、「離港時間」は香港国際空港の桟橋を出発する時刻です。表の下の方に
「澳門」とあるのがマカオの事です。一日7便あります。飛行機の到着から船便の出発まで一時間半あれば、
余裕で間に合います。この経路を利用したい方は、まずこれらの情報に目を通してください。なお、船便の時
刻については、フェリーを運行する船会社のターボジェットのサイトでも確認する事をお勧めします。


香港国際空港の到着フロア
香港国際空港の到着フロア

飛行機から降りたら、普通は入国審査のゲートに向かいますが、マカオ行フェリーに乗換える場合は、転機処
E2を目指します。間違って入国審査の列に並び、香港領内に入ってしまわないよう注意してください。香港
国際空港のターミナル・ビルはY字型をしており、Yの字の根本の所に入出境審査ゲートがあります。飛行機
を降りてYの字の上から下の方向へ歩いて入出境審査ゲートの手前で右に曲れば、転機処E2のチケット売場
があります。


転機処E2のチケット売り場
転機処E2のチケット売り場


珠江デルタの各地へ向うフェリーのチケット・カウンターが並んでいますが、マカオ便を運行している船会社
は「ターボ・ジェット」なので、そのカウンターに並びます。もし日本を出発する時に空港のチェック・イン
・カウンターで荷物を預けたのなら、船のチケットを買う時に荷物のタグを見せると、荷物は乗船する船に運
ばれてマカオ・フェリー・ターミナルに到着してから受け取る事ができます。
しかし私はこの手荷物転送サービスには不安を感じます。もしフェリーのチケット・カウンターが長蛇の列で、
ようやく順番が来て荷物のタグを見せた時には、荷物は既に香港空港の入国審査後の手荷物受取り場のベルト
コンベアーの上をぐるぐる回っていたら…という心配があるからです。荷物は自分で持つのが確実です。

ターボ・ジェットのチケット・カウンター
ターボ・ジェットのチケット・カウンター


チケットを買うと係員に下の写真のようなシールを貼られました。

フェリー客識別シール
フェリー客識別シール


フェリーのチケットを買ったら、次は「登船」の表示を捜して下さい。

チケット売場の裏手
チケット売場の裏手


上の写真の左端がチケット売場ですが、右端の青い案内板に「←登船」と表示しています。下がそれです。


フェリー・ターミナルへ移動する通路の入口
フェリー・ターミナルへ移動する通路の入口

ガラスで仕切られたスペースの内側にあるのはエスカレーターです。入ろうとすると係員にしばらく待てと制
止されましたが、10分くらい待つと通してくれました。フェリー・ターミナルの待合室の混雑防止の為なのか、
出航30分前にならないとこのゲートを通してくれないそうです。


ゴム・タイヤ式電車乗場
ゴム・タイヤ式電車乗場

エスカレーターで地下深く降りると、ゴム・タイヤ式電車乗場があります。電車に乗ってフェリー・ターミナ
ルへ移動します。空港のフェリー・ターミナルの名称が「海天客運碼頭」である事をここの表示で知りました。


海天客運碼頭へのエスカレーター
海天客運 石馬 頭へのエスカレーター

長いエスカレーターを登ると、そこは海天客運碼頭の出発フロアでした。


海天客運碼頭の出発フロアの両替店
海天客運碼頭の出発フロアの両替店

海天客運碼頭の出発フロアのスタバと7-11と萬寧
海天客運碼頭の出発フロアのスタバと7-11と萬寧


2008年時点では出発フロアに移動して他の航空機の搭乗客に混じってフェリーの出発を待っていたので、出発
フロアの商店はたくさんありましたが、それと比べるとここは少し寂しいです。まぁ、スタバと7-11があるの
は救いですが。両替店が一店だけありましたが、レートは悪かったです。一店では競争原理が働かないので、
当然と言えば当然です。空港の見取図を見ると到着フロアのE1とE2にも両替店はあったので、両替はそこ
でしておくべきでした。


乗船ゲート
乗船ゲート

乗船ゲートには行先と出発時刻を表示する電光掲示板が設置されています。さすがは香港!中国とは違います。


いざ乗船
いざ乗船

船内
船内


約45分でマカオ・フェリー・ターミナルへ到着。荷物を預けた人は係員にタグを見せて荷物を引き取ります。

マカオ・フェリー・ターミナルでの荷物受け取り
マカオ・フェリー・ターミナルでの荷物受け取り



・香港島、上環 → マカオ

香港領内からは、二カ所のフェリー・ターミナルからマカオ行きの便が出ています。一つは、香港島の上環の
フェリー・ターミナル、もう一つは九龍の中港城です。香港もマカオも独立国扱いですから、両都市間の移動
にはパスポートが必要です。香港旅行中に日帰りでマカオへ行く時は、パスポートを忘れないでください。


香港島、上環のフェリー・ターミナル
香港島、上環のフェリー・ターミナル

地下鉄の上環駅から海側へ歩いた所にあります。上環のフェリー・ターミナルに発着する船便は、以前はその
ほとんどがマカオ行きでしたが、2010年1月に行ってみると、マカオと蛇口以外にも珠海とか中山とか行き先
が増えていました。またマカオ行きも、マカオ半島のフェリー・ターミナル行きとタイパ島行きがあります。


マカオ半島フェリー・ターミナル行き切符売場
マカオ半島フェリー・ターミナル行き切符売場

運行会社はターボジェットです。時刻表はこちらです。


マカオ・タイパ島行き切符売場
マカオ・タイパ島行き行き切符売場

マカオ・フェリー・ターミナル行き切符売場を向いた時に背中方向の、旅行会社の事務所が並んでいる一画に
ありました。運行会社は珠江客運有限公司です。


出国審査ゲートへの入口
出国審査ゲートへの入口

チケットを買ったら、ここから中に進んで出国審査を受けます。



・九龍、中港城 → マカオ


尖沙咀の西岸にある中港城からは、珠江デルタ各地へのフェリーが出ています。マカオ行きの便数は30分に一
本で、上環のマカオ・フェリー・ターミナルの半分です。


九龍の広東路沿いにある中港城
九龍の広東路沿いにある中港城

尖沙咀のスター・フェリーの波止場から広東路を北上すると、九龍公園との間に陸橋の掛かっているビルがあ
ります。このビルの低層がフェリー・ターミナルの中港城、上層のタワー部はロイヤル・パシフィック・ホテ
ルになっています。ミラマーやキンバリーなどの尖沙咀のホテルから行くなら、九龍公園の中を突っ切って、
この陸橋を渡っていくのが近道です。橋を渡ると中港城の屋上に立つ事になるので、下に降りなければなりま
せんが、この階段が目立たない所にあります。


フェリー・ターミナルへ降る階段
フェリー・ターミナルへ降りる階段

上の写真は、その階段のある場所から九龍公園方向を撮ったものです。陸橋から階段までの距離を知る参考に
して下さい。階段を下りると到着フロアに出ます。出発フロアは更に一つ下の階です。


ところで、中港城からマカオへのフェリーを運航している船会社は新渡輪(ファースト・フェリー)でしたが、
その航路の営業権と船と人員を、信徳中旅船務(ターボジェット)が買収しました。2011年10月からはターボ
ジェットの運行となったそうです。新渡輪の方に残された航路は、香港島と離島や九龍半島を結ぶ内航線です。
なお、船の塗装や埠頭の表示などを一気に変更する事ができないからなのか、表面的には「新渡輪」での営業
が続いているようです。中港城−マカオ航路の時刻表はターボジェットのサイトに掲載されていますが、時刻
表の右上に「新渡輪」のロゴも表示されています。

という訳で、これより下に掲載している写真は古い情報となっている可能性があります。切符売場や埠頭内の
案内表示や船の塗装が、ターボジェットに塗替えられている可能性がある事をご承知置き下さい。


マカオ行き切符売場
マカオ行き切符売場


出国審査ゲートへの入口
出国審査ゲートへの入口

出国審査場への入口は、船便ごとに分かれており、マカオ行きの入口だけが長蛇の列でした。この入口を通る
時、乗船券に座席番号のシールが貼られ、指定座席が確定します。


乗船ゲートへ
乗船ゲートへ

出国審査ゲートを通過し乗船ゲートへ向かう途中、各乗船ゲートの状況を示す電光掲示板があります。しかし
この電光掲示板は写真のような乗船ゲートの状況だけを専用で表示しているのではなく、他の情報も切替て表
示しているので、注意してください。各行き先の船に何番ゲートから乗船するのかを示している場所は、ここ
以外になかったように思いますので。


マカオ行き乗船ゲート
マカオ行き乗船ゲート

しかし、マカオ行きの乗船ゲートは12番か13番に決まっているようです。


マカオ行き高速艇
マカオ行き高速艇

船内
船内



・マカオ半島 → 香港島(上環) or 九龍半島(中港城)


前述のように、信徳中旅船務(ターボジェット)が新渡輪(ファースト・フェリー)のマカオ航路事業を買収
した為、マカオ半島のフェリー・ターミナルから香港方面へ向うフェリーは、香港島行きも九龍半島行きも、
2011年10月からターボジェットの運行となりました。ただ、船の塗装を一気に塗替えられない為なのか、表面
的には「新渡輪」による運行が続いているようです。という訳で、ここに掲載している写真は古い情報となっ
ている可能性があります。


まず香港島(上環)行きの切符売り場を紹介します。時刻表はこちらです。

香港島(上環)行きの切符売場
香港島(上環)行きの切符売場


下の写真の右側の窓口が、これまでは「新渡輪」が運行していた九龍(中港城)行きの切符売場です。現時点
で「新渡輪」の表示があるかどうかは判りません。時刻表はこちらです。

九龍(中港城)行きの切符売場
九龍(中港城)行きの切符売場


上の写真の左側の窓口は、ターボ・ジェットの香港国際空港行きの便、つまり冒頭で紹介した香港国際空港→
マカオ便の帰りの便です。香港国際空港の海天客運碼頭に到着後に航空機への乗継ぎ手続が必要ですが、海天
客運碼頭の到着フロアで乗継ぎ手続の可能な航空会社がどこかは、私は把握できていません。

ネットで調べたところ、キャセイ航空・日本航空・全日空・中華航空の航空券を持つ乗客は、マカオ半島フェ
リー・ターミナルでも航空機のプリ・チェック・インのサービスが可能だそうです。このサービスを利用する
と、マカオ・フェリー・ターミナルで航空機の搭乗券を受取り、乗船前に預けた荷物は香港国際空港で搭乗機
に自動的に運ばれて、日本の空港で受取る事ができるそうです。


香港島(上環)行き入口
香港島(上環)行き入口

九龍(中港城)行き入口
九龍(中港城)行き入口


九龍(中港城)行き乗船ゲート
九龍(中港城)行き乗船ゲート


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