マレーシア、クアラ・ルンプール 2006年 8月 11日〜14日
2006年の8月11日から20日まで、キャセイ航空の東南アジア周遊券「アジア・パス」で、マレーシアの
クアラ
・ルンプール、ベトナムのホー・チ・ミン、香港の3都市を回ってきました。11日、14日、17日、20日が移動
日で、各都市にはそれぞれ3泊しました。このページでは、11日から14日までのクアラ・ルンプール滞在をリ
ポートします。マレーシア政府観光局のクアラルンプール紹介ページはこちらにありますので、ご参照下さい。
11日に関西空港で飛行機に搭乗しようとした時、最初の事件が起こりました。客室乗務員が自動改札機?に私
の券を通すと、エラーが表示されてしまったのです。空姐がPCの画面をのぞき込んで何やらささやき合い、
やがて私の前にやって来て言いました。「ビジネス・クラスにご案内いたします」
恐らくオーバー・ブッキング(二重発券)だったのでしょうね。もしビジネス・クラスも満席で空きがなかっ
たら、私はどうなっていたのでしょうか。で、下の写真がビジネス・クラスそれもフル・フラット・シートの
座席です。着席後に、グラスに入ったフレッシュ・ジュースがサービスされました。食事は料理毎に皿に盛ら
れて出てきました。食後はシートをフル・フラット(傾斜は少しあるが)にして寝ました。こういう事が起こ
るのなら、いつの日かヨーロッパに行く時に起きて欲しかった。
ビジネス・クラス
関空から香港国際空港へ着き、クアラルンプール行きの便に乗り換えるまで3時間ほど待ちます。空港内の
ショッピング・モールは規模が大きいので、3時間くらいは十分に時間をつぶせます。
そこで、周囲に警備員が付いて見張っているVIP待遇の一団に遭遇しました。その一団には他の客達もカメラ
を向けています。NBAの選手なんでしょうか?
NBAの選手?
誤訳発見
空港内の中華レストランのメニューです。料理名に日本語訳が付いていますが、誤訳を発見!
「チョウのロースト入り」ではなく、「ガチョウのロースト入り」です。
キャセイの香港経由便でクアラルンプールのホテルにたどり着いたのは夜10時頃。
近くのアロー街で遅い夕食を撮りました。アロー街は動画も撮影しましたので見てください。
動画頁 マレーシア編
アロー街
肉骨茶(バクテー)と炒飯
2003年のシンガポール旅行の時に食べそびれた肉骨茶(写真左、福建語読みでバックッテー)に挑戦!
肉の旨みは汁の方へ出てしまって、食感はパサパサ。完食はしましたが、味は微妙。
本家オールソン・ホテル
2003年のシンガポール旅行で泊まったのがブギス駅近くの「オールソン・ホテル」でした。今回の旅でクアラ
・ルンプールのホテルをネットで探している時、この名前が目に入り、シンガポールのオールソン・ホテルと
同系列のホテルと思い、このホテルに予約を入れました。
ホテルのマークも同じなのですが、双方のホーム・ページを見ても、姉妹店の案内はありません。ルーツは同
じだが今では互いに独立しているのかもしれません。クアラ・ルンプールのオールソンに(GENESIS=創始)の
文字が入っているのは、シンガーポールのオールソンへの対抗意識かもしれません。
ホテルは、クアラルンプール一の繁華街ブキッ・ビンタンの一角にあります。ブキッ・ビンタンの街は、モノ
レールの軌道を挟んで、東側がウェスティンやリッツ・カールトンなどの高級ホテルやショッピング・モール、
西側がアロー街などの旧市街地区となっています。私には高級ホテルは堅苦しいだけで、このホテルで十分だ
と思いました。
ホテルの窓から
窓からクアラルンプール・タワーが見えます。という事は、クアラルンプール・タワーからもオールソン・ジェ
ネシス・ホテルが見えるはず、という訳で、クアラルンプール・タワーに登ってきました。
高さは約450メートルですが、展望台がほとんど頂上にあるので、展望台の高さでは新東京タワーの上部の展望
台とほとんど同じです。
クアラルンプール・タワー
ホテルはやはり見えました。
オールソン・ジェネシス・ホテル
写真真ん中の小さいビルがホテルですが、その右後ろに建っている薄汚いマンションにご注目。
それはこれです。
壁面の不規則な出っ張りは、違法増築(そういった事を規制する法律があればの話だが)でしょうな。
KLタワーから撮った写真を合成して360°全周写真にしました。ファイルが重いので、まず右クリックでメ
ニューを開き、「対象をファイルに保存」を選択して「kl360.jpg」ファイルをダウンロードしてから、鑑賞す
る事をお勧めします。
クアラルンプール全周写真はこちら
ホテルの周囲を散策しました。ホテルを出てアロー街と反対の方向へ歩くと、洒落た店の並ぶレストラン街
があります。その中のインド料理屋でカレーを食いました。
レストラン街
サフラン・ライスとチキン・カレー
これにミルク・ティーを追加注文したのですが、リプトンのティー・バッグだったのはいただけません。
住宅街
レストラン街から路地に入ったところにあった住宅街です。一見薄汚れていますが、どの家も衛星テレビと
エアコンを持っている事にご注目。そこそこ豊かなのです。昨年行ったバンコクよりも生活水準が高い印象
です。帰国後の新聞記事で目にしたのですが、国民一人当たりGDPは、タイの約2500ドルに対してマレーシア
は約4500ドルでした。マレーシアは中進国レベルまで発展しているのです。
東南アジア諸国の経済発展レベルに関して、私はある法則性を感じています。それは、「華僑人口の比率が
多いほど経済が発展する」というものです。一人あたりGDPで東南アジアで断トツのシンガポールは、華僑
人口比率も約90%と断トツです。その次が華僑人口25%のマレーシア、華僑人口10%のタイ、と続きます。
華僑人口が数%のインドネシアは経済低迷がつづき、皆無に近いフィリピンは経済の話題でもカヤの外です。
要するに、その国の経済発展にはマネージメント(つまりは金勘定)の出来る人材が必要という事なのです。
残念ながら東南アジアの諸民族にはその才能に欠けているのですね。ベトナムは「ボートピープル」で華僑
を追い出して民族浄化を果たしましたが、ベトナム人自身が漢文化圏の「小中華」ですから、華僑の力を借
りなくても経済発展は可能でしょう。
スルタン・アブドゥル・サマド・ビルです。19世紀末に建造された美しい建物ですが、現役の裁判所として
使われており、内部見学はできません。動画も撮影してきましたので見てください。
動画頁 マレーシア編
スルタン・アブドゥル・サマド・ビル
ペトロナス・ツイン・タワーに行きました。上層階はオフィスなので一般人は入れません。下層階のビルは、
ショッピング・モールになっており、伊勢丹が入居しています。ビルの周囲は公園が整備されています。
ペトロナス・ツイン・タワー
クアラルンプールの公共交通機関は、高架鉄道LRT(一部地下路線)が2路線、国鉄の近郊電車KTMコミューター
が2路線、KLモノレール1路線、それと空港直通特急KLIAエクスプレスが開通しています。クアラルンプール
の鉄道路線図はこちらです。動画頁には鉄道の映像を置いています。
動画頁 マレーシア編
KLIAエクスプレス車内
LRT
LRT車内
KTMコミューター
KTMコミューター車内
市内と近郊を結ぶKTMは大きな荷物を持った人が多く、市内交通機関のLRTとはあきらかに雰囲気が異なります。
KLモノレール
動画ページの「クアラ・ルンプールのモノレール」は、ハン・トゥア駅からインビ駅までを撮影したものです。
ハン・トゥア駅発車後の窓の外にご注目ください。高い塀に囲まれた施設が見えます。これは刑務所です。
動画頁 マレーシア編
前述の6路線の中でLRTのスター線以外の全路線は、クアラルンプール中央駅に集まっています。が、モノレー
ルのクアラルンプール駅だけは、中央駅から200メートルほど離れた位置にあります。
クアラルンプール中央駅から見るモノレールのクアラルンプール駅
上の写真は、国鉄、LRT、空港直通特急のクアラルンプール中央駅から、モノレールのクアラルンプール駅を
望んだ風景です。下の写真は、モノレールのクアラルンプール駅の近景です。
クアラルンプールに到着した夜、ホテルのあるブキッ・ビンタンへ行く為に、空港特急を下車してからモノレー
ルに乗り換えたのですが、モノレールの駅が判らず非常に難儀しました。両駅の間は200mほどで、その間は空
地と仮設店舗商店街でした。なぜ、モノレールの線路をあと200m延伸して、クアラルンプール中央駅に乗入れ
ないのでしょう。外国人には判りません。
先に紹介したKTMコミューターの写真はクアラルンプール駅で撮ったものです。現在のクアラルンプール中央
駅が出来るまでの中心駅だったそうで、人通りは少ないのですが駅舎やホームはまだまだ風格を残しています。
クアラルンプール駅
クアラルンプール駅の駅舎
次に、チャイナ・タウンへ行きました。店の看板に漢字が書いてあるという程度で、ぜんぜん中華街っぽくあ
りません。これでチャイナ・タウンと名乗れるなら、日本のどこの商店街もチャイナ・タウンです。
チャイナ・タウン
インターネットでホテルの予約を取る時、最初はチャイナ・タウンに立地するホテルを第一候補に考えていた
のですが、ブキッ・ビンタンのオールソン・ジェネシス・ホテルにして良かったです。
チャイナ・タウンの中にヒンズー教の寺院があります
スリ・マハ・マリアマン寺院
最後に食事を2品紹介します。
ラクサ麺
ニョニャ料理のカレー
ニョニャ料理とは、マレー半島の華僑の間で成立したマレー料理と中華料理の融合した料理だそうですが、私
はココナッツ・ミルクの甘ったるい味が苦手で、この料理を食べるのは苦行でした。
ニョニャ料理を食べた翌日、次の訪問地のベトナム、ホー・チ・ミン市へ向かいました。
総評
今回の旅の目的はホー・チ・ミン市がメインで、「クアラルンプールもついでに行っておくか」という程度だっ
たのですが、いやいや予想以上の発展ぶりでした。空港と市内中心部の間が鉄道で結ばれており、市内に鉄道
が5路線も走っているのは、旅行者の利便性の点でバンコクや台北を上回っています。ただ、歴史がない新興
都市である点はシンガポールと同じで、名所旧跡がないので観光は3日で飽きます。時間があれば日系の旅行
会社のツアーに参加して、古都マラッカへの一日ツアーに行きたいところです。
私にとって初のイスラム圏という事でちょっと身構えるところがあったのですが、そういう心配は杞憂で普通
の国でした。まぁ、人口の1/4が華僑だそうですから、豚肉やアルコールを厳格に禁止したら深刻な紛争に
なるでしょう。その華僑人口ですが、クアラルンプールの人口比率はもっと高くて、市民の顔立ちで判断する
と半分くらいと思います。ただ、彼らの使用言語は広東語でした。以前読んだ新聞記事によると、東南アジア
の華僑の間では中華学校にかよって普通話(北京語ベースの中国の標準語)を習得している人も多いそうです
が、普通話で話しかける勇気はありませんでした。
意外だったのが気候です。赤道直下の国だから日本よりもっと暑いだろうと思っていたのですが、日本の夏と
同じくらいでした。ガイドブックに掲載されている気温のグラフを見ると、東京の8月の平均気温はクアラ・
ルンプールを上回っていました。う〜ん、日本の夏は赤道直下より暑いのか。東アジアで一番暑いのは8月の
台湾、香港ですね。ただし日中の太陽は頭の真上に来て日陰がなくなるので、正午付近の時間帯はホテルに戻っ
て休養し、街歩きは陽が傾いてからにしました。3時を過ぎれば町中のビルの谷間は日陰になります。
面白いと思ったのが時差です。台湾、香港の時差が日本と1時間遅れなので、さらに西にあるマレーシアは2
時間の時差があってもよいと思うのですが、1時間しかありません。想像するに、時刻を東部のカリマンタン
島のマレーシア領と共通にするためでしょうか。結果としてマレー半島側のマレーシア領では、年中サマー・
タイム制をやっているようなもので、天文上の太陽の位置より時刻が1時間ほど早くなっています。夜が明け
るのは朝7時くらいで日没は午後7時頃になります。太陽の南中は午後1時くらいなので、街歩きを避けてホ
テルに戻る時間帯は、正午〜午後3時くらいが適当です。
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