台湾 台南 その2 2010年 11月 5日


このページでは台南日帰り旅行を報告します。台南は、2002年、2007年に続いて三回目ですが、どれも高雄か
らの日帰り旅行です。今回は前二回の旅行で行きそびれた安平地区が第一の目的です。一回目の台南旅行は撮
影した写真が少なくて本サイトで紹介できる分量がありませんので、本ページが「その2」となっています。

高雄滞在二日目は、在来線(台湾鐵路)の普通電車(区間車)で台南へ行きました。

台湾鐵路高雄駅改札口


区間車に新型車輌が投入されていました。

台湾鐵路 区間車



しかし、この先頭車輌のデザインは……。台鐵カッパ號と名付けます。

台鐵カッパ號



従来の区間車より窓が広くて室内が明るいです。

区間車車内



約40分で台南駅に到着。

台南駅ホーム


台南駅前のロータリー


ガイドブックによると駅前ロータリーの向う側にバス停があるはずですが、横断歩道がありません。あたりを
見回すと地下道がありました。


地下道入口


2番のバスに乗って、安平地区へ行きます。

バス亭の路線表示


安平地区案内地図


上の地図は現地で撮影した案内板です。「B」の印はバス停ですが、地図上部の安北路に4つ並ぶB印の左か
ら二つ目、安北路と古堡街の交差点付近のバス停で、バスを降りました。


安北路と古堡街の交差点



まずバス停から北西に歩いて、徳記洋行に向いました。ガイドブックによると徳記洋行は昔の貿易商の建てた
洋館で、現在は蝋人形で台湾開拓時代の情景を再現した博物館「開拓史料蝋像館」となっています。

徳記洋行 正面


徳記洋行に到着しましたが、正門は閉ざされています。休館日かと思いましたが、敷地の中を見物客らしき人
が歩いています。入口はどこかと思って捜すと、なんと、徳記洋行は左隣の「平安樹屋」と同じ施設で、平安
樹屋の入口で入場券を買って中に入ると、平安樹屋と徳記洋行の敷地は繋がっていて徳記洋行も見学できるの
でした。

平安樹屋 チケット売場と入口


平安樹屋 見取図


平安樹屋は徳記洋行の倉庫だった建物で、壁や屋根に榕樹(沖縄のガジュマルと近縁)の気根がからみついた
独特の景観が保存されている施設でした。

樹屋







開拓史料蝋像館の展示は、台湾の歴史に詳しくない私にとっては、可もなく不可もなくというところでした。

徳記洋行 入口


徳記洋行 側面



安平古堡の周辺には、徳記洋行の他にも貿易商の洋館が残っています。東興洋行のレンガ建築の建物はレスト
ランとして営業しており無料では入れませんでしたが、その隣に保存されている日本家屋がありました。どう
やら日本統治時代に台湾にあった製塩業の会社の日本人宿舎のようです。室内が畳でなくて板の間なのが残念
ですが。

臺鹽日式宿舎







安平古堡はオランダ人の建設した砦ですが、現在も残っている遺跡は崩れかけた城壁だけです。漢民族の英雄
である鄭成功ゆかりの地ですので、ツアーに組込まれているのか、中国人観光客の団体がぞろぞろと歩いてい
ました。

安平古堡と鄭成功像


城壁跡



城壁の古さと比較すれは、砦の土台のレンガ積みが近年の再建である事は明かです。土台の上に建っているの
は売店と展望台です。敷地の中には熱蘭遮城博物館も建てられています。「熱蘭遮」はオランダ時代の名称で
ある「ゼーランジャ」の音訳です。「熱」をネツと読むのは呉音で、漢音ではゼツと読みます。ちなみに、
「中国語方言のページ」 で「熱蘭遮」の台湾語発音を調べると、「joah8lan5jia1」でした。

熱蘭遮城博物館


展望台



展望台は無料です。ただし、エレベーターはないので階段を登ります。4階建てですが徳記洋行や鹽水渓まで
見渡せました。展望台を出た後は、鹽水渓のほとりまで行ってみました。


徳記洋行遠景


鹽水渓



ところで、上の徳記洋行遠景の写真を見て違和感を感じませんか?徳記洋行の後に林があり、その後にプレハ
ブ小屋が並んでいます。徳記洋行は二階建てですが、林の木々は徳記洋行より高く、プレハブ小屋はそれらの
木々より高いように見えます。これはエッシャーの絵?

付近の民家


鹽水渓へ行く途中で見かけた民家です。みな、屋上にプレハブ小屋を増築しています。だったら最初から三階
建てで建てないのだと突っ込みたくなりますが、もし三階建てで建てても屋上にプレハブ小屋を増築する国民
性のような気がします。

安平古堡の南隣に安平開台天后宮があります。装飾の見事な道教寺院でした。

安平開台天后宮 遠景


安平開台天后宮 近景


安平開台天后宮 接写



延平街は天后宮の西方にあります。ガイドブックによると古い家並みが残っているとの事なので期待していま
したが、土産物屋が並ぶ「観光地の商店街」でした。帰国してからガイドブックをよく読むと「路地裏には…」
とあります。路地裏までは入らなかったので古い家並みが残っているかどうかは未確認です。

延平街



昼食は、延平街に近いあたりの安平路沿いにある周氏蝦捲で食べました。蝦捲はエビ入り揚げ春巻です。薄味
で、私的には可もなく不可もなくというところでした。杏仁豆腐は美味かったです。

周氏蝦捲 (食堂)


店内


注文カウンター


炸蝦捲と魚丸湯


杏仁豆腐



周氏蝦捲は道を隔てた向かい側にも持ち帰り商品の売店があるので、間違えないよう注意してください。

周氏蝦捲 (売店)





安平古堡周辺の観光を終えた後、台南運河を渡り、運河で囲まれた区域へ入りました。運河で囲まれて台湾本
土から切り離されているので理屈を言えば「島」ですが、地図を見ても島名は見当たりません。どうやら台南
市民には島という認識がないようです。「島」の北東部に台南市役所があるので、市の中心部も散策しておこ
うという思いでした。ガイドブックによると市役所前にはバス停があるそうなので、バスで台南駅まで戻るつ
もりでした。

台南運河北側



台南市の地図を見ると「島」の道路は碁盤の目状に整備されているので、近年に開発された地区だろうという
察しは付きます。行ってみると、確かに綺麗な街並みですが繁華街というほどではありませんでした。市役所
は、なかなかモダンな建築でした。

島内の交差点(華平路と平通路)


市政府庁舎



市役所のバス停に辿り着きましたが本数が1時間に1本くらいしかありません。ここまで歩いてきたので、
「毒を食らわば皿まで」で、台南駅まで歩いて戻る事にしました。


内政部入出国及移民署 台南服務站


市役所から見て北東方向の府前路二段に、ライトアップされた洋館がありました。立て看板を見ると「内政部
入出国及移民署 台南服務站」とありました。


台南運河東側


島から運河の東側を渡って本土に入れば、台南駅まであと2kmほどです。途中、中山路で天主堂を撮りました。

天主堂



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