台湾 高雄 その2  2010年 11月 4日 〜 11月 7日


2010年の11月1日から10日までの台湾旅行で、4日〜7日は高雄に滞在しました。その間に台南へも日帰り旅行を
して来ました。台南は別ページで報告する事にして本ページでは高雄旅行を報告します。

 台南旅行の報告はこちら

今回の旅行は、2007年の高雄・台南旅行で行きそびれた所を落穂拾い的に回ってきましたので、そちらの報告
と合わせてお読み下さい。


台北に到着したその日の夜、台北駅の一階フロア南東角にある台湾高速鐵路前売券売場で、台北−左営の切符
を往復で買いました。中国では一等車でもメチャ安なので迷わず一等車に乗っていたで、その余韻で台湾でも
商務車輌の切符を買ってしまいました。片道1950元≒5400円で、それほど安くはありません。次回からは標準
車輌(片道1450元)にするつもりです。ところで高鐵の当日券売場は台北駅の地下にあるので注意して下さい。

台湾高速鐵路台北駅 前売券専用売場



11月 4日、ちょっと早めに台北駅に到着しました。台北駅は4本のプラットフォーム(中国語では月台)があ
りますが、南側の2本が高鐵、北側の2本が在来線(台湾鐵路)という棲み分けになっています。日本の駅で
は1番線、2番線と線路に番号を付けますが、こちらでは月台に番号を付け、各月台の線路はA、Bで区別し
ます。

台湾高速鐵路台北駅 改札口



早めに到着しても改札口は通れましたが、列車の清掃作業中はプラットホームへ降りる階段が通行止でした。
待合席の座席数はそれほど多くありませんので、もし混雑した時期だと立って待つ事になるかもしれません。
指定席ですから早めに改札口を通って待つ必要はない訳で、駅の喫茶店で時間を潰す方がよいと思いました。

台湾高速鐵路台北駅 プラットホームへ降りる階段


台湾高速鐵路台北駅 プラットホーム


車内では飲料軽食販売のサービスがあります。商務車輌は下の写真の左上の「免費」枠内の飲料が無料です。
私は珈琲を注文しました。さらにナッツとスポンジ・ケーキも無料で貰いました。

台湾高速鐵路 車内販売


商務車輌の無料サービス



日本ならとっくに稲刈りは終っている時期ですが、水田がまだ青い。台湾の稲作は二期作が多いそうです。

台湾高速鐵路の沿線風景



商務車輌の乗客は私以外に1人しかいませんでした。1時間半で高雄の左営駅に到着しました。

台湾高速鐵路左営駅



高雄市地下鉄が開通していました。高鐵左営駅では在来線(台湾
鐵路)新左営駅と地下鉄左営駅に接続していますが、未体験の高雄市地下鉄に乗換えて高雄駅に向いました。

高雄市地下鉄左営駅


高雄市地下鉄車内


地下鉄車輌は標準軌のジーメンス製でした。ほどなく高雄駅に到着。


高雄市地下鉄高雄駅



しか〜し、地下鉄高雄駅は出口が一つしかありません。これでは台湾鉄路の線路の北側の住人が地下鉄に乗る
場合はどうするのでしょう。巨費を投じて地下鉄を作りながら中心駅の出口をもう一つ作る費用をケチる意図
が判りません。実は、前々から疑問なのですが、高雄駅周辺には徒歩で線路の南北を移動できる道がないので
す。駅の南から北へ移動するには、車に乗って大回りをするか、駅の入場券を買って改札を通るしかありませ
ん。高雄駅に地下鉄が出来るからには駅の南北を通り抜けられる地下通路もできると期待していたのですが。

高雄市地下鉄高雄駅の見取図(左が北)



さらに言えば、地下鉄の出口も台湾鉄路高雄駅の駅舎と離れています。これでは雨の日に乗換える場合に傘が
ないと濡れてしまいます。地図をよく見ると台湾鐵路高雄駅の名称にカッコ付で「臨時站」と書いてあります
が、現状の高雄駅舎が仮設駅舎で新駅舎の工事が始るという意味なら、新駅舎完成の曉には駅の南北を通り抜
け出来る通路が建設され、雨の日も濡れずに台湾鐵路と地下鉄の乗換えが出来るようになる事を期待します。

高雄市地下鉄高雄駅出口



今回の宿は、高雄駅から南へ5分ほど歩いた所にある舜ト商務旅館です。朝食付で一泊約900元≒2500円で予約
しました。

舜ト商務旅館 外観


舜ト商務旅館客室 窓側


舜ト商務旅館客室 壁側


ベッドやソファの花柄模様は、本当に商務旅館?という疑念が涌きますが、ビジネス客以外も「来る客は拒ま
ず」の営業方針の多目的ホテルなのでしょう。しかし、ビジネスマンならスーツを着ているもんですが、上着
を入れる衣装入れが見あたりません。仕方なく上着を畳んでソファの上に置いて寝ました。しかし旅立つ前日
の夜、部屋の角の柱に切れ目が入っている事に気付きました。柱に指を掛けて引いてみると…


秘密の空間


秘密の空間を発見しました。上着を入れるのにちょうどよい大きさです。



舜ト商務旅館 食堂


一泊2500円と格安ながら朝食付きです。朝食は地下の食堂で頂きます。朝食の中身は下の写真の通り。

舜ト商務旅館 朝食


ハムの面積はトーストの1/3くらいでしょう。玉子焼は表面が妙にテカテカ・ツルツルして食感にも弾力が
ありません。恐らく他の料理で黄身を使った残りの白身を混ぜて、白身で増量した玉子だと思います。トドメ
がミルク・ティーの驚異的な不味さ!これが紅茶とは信じられません。道ばたの雑草を乾燥させて茶葉を増量
したのかと思うほどです。そもそも洋食を出しながら珈琲を用意せず、飲物がミルク・ティーのみという時点
で、私の求める朝食からは外れています。ここの朝食は1回食べただけで、以後の権利は放棄しました。


星辰商務飯店→御宿商旅


今回の高雄旅行でも、当初は前回の高雄旅行で泊った「高雄星辰商務飯店」が第一候補でした。ところがホテ
ル予約サイトで検索しても見つからないため、立地と価格で舜ト商務旅館に決めた次第です。あのホテルがど
うなったのか気になって三多商圏に行ってみたところ、ホテルの名称が「御宿商旅」に変っていました。帰国
後にネットで調べたところ、御宿集団旅館連鎖(御宿グループ旅館チェーン店)の中山館になっていました。


次に、三多商圏から北上して高雄の西門町「新堀江商圏」に向いました。

新堀江商圏 ゲート


新堀江商圏 商店街


時刻は夕刻で、たくさんの屋台が開店準備中でした。この後は六合夜市へ行くつもりだったので、胃袋に余力
を蓄えるため、買食いは自粛しました。(^_^;


中央公園付近見取図(左が北)



中央公園駅の東側一帯は繁華街が続いていますが、五福二路を挟んで繁華街の名称が異なっていました。新堀
江商圏は五福二路の南側の繁華街の名称で、北側は「原宿玉竹商圏」でした。後者の方が衣類やファッション
の店が集中している感じです。

原宿玉竹商圏 ゲート


原宿玉竹商圏 商店街



日が沈んだ頃、六合夜市に到着しました。夜になると六合二路に食い物の屋台が並びます。

六合夜市



炭火串焼


焼鳥


まず焼鳥を一本買いました。ところで、この店の看板を見てびっくり!「人民元で買えます」と書いてます。
観光名所を闊歩する中国人団体観光客の多さにも驚きましたが。台湾で人民元が使えるとは、時代も変ったも
んです。お品書も簡体字で併記しています。同じ中国語だから漢字の字体を変えればよい、という訳ではなく
て、台湾独特の言い方は大陸の人には判らないのでしょう。例えば上の写真の左端の「甜不辣」は関西で言う
テンプラ(関東で言うさつま揚げ)が台湾に伝わったものですが、大陸の人向けには「魚餅」と訳しています。


熱狗


原味脆薯熱狗


熱狗は"Hot dog"の直訳ですが、日本の「ホット・ドッグ」とはちょっと違います。これは日本で「アメリカン
・ドッグ」とか呼んでいるやつですね。英和辞典を引くと"Hot dog"は日本で言うホットドッグ以外に、フラン
クフルト・ソーセージの意味もあるそうなので、この屋台でアメリカン・ドッグを熱狗と呼んでいるのは間違
いではありませんでした。私が買ったのは、ソーセージの回りにジャガイモの小さな角切りを貼付けて揚げた
やつです。「脆」は料理用語でサクサクした食感を表現します。「薯」は馬鈴薯の薯です。


一口煎餃


一口煎餃一袋


煎餃は包子を鉄板で焼いた小吃ですが。この店の商品は一口サイズが特徴です。8個30元と14個50元ではどち
らがお得なのか即座に判断できない値付けです。計算するとやはり14個の方が少しお得です。


憶 女亭 屋台


憶 女亭 店舗


六合路に並ぶ屋台の中には、後の店舗と同じ屋号の店が少なからずあります。つまり、夜の間だけどこからか
やって来る屋台ではなくて、元々この六合路で営業している固定店舗の食堂が夜に自分の店の前に屋台を出す
訳です。この店もその一例です。

「魚善 魚」とは辞書を引くとタウナギの事です。私は前からタウナギを一度食してみたいと思っていました。
お品書に「魚善 魚」のある屋台がいくつかありましたが、路上ではなく店内でじっくりと味わいたいと思い、
この店の固定店舗で食べる事にしました。注文したのは「魚善 魚 麺」です。

「魚善 魚 麺」 と 「香  肉 火庚」


食べてみると歯ごたえは鰻に似ていますが、味に特徴がなく「単なるサカナ」としか言いようがありませんで。
タウナギが日本にも生息しながらあまり食用とされない理由が判りました。要するに、商品として魚屋に並ん
でも、鰻や穴子や鮭やサンマに対抗するだけの魅力がないのです。料理としての「魚善 魚 麺」は、「魚善 魚」
と野菜をトロミのある甘酸っぱいスープで煮込んで、麺に掛けたものでした。

もう一つ、「火庚」という料理もどんなものか試したくて「香  肉 火庚」を注文しました。写真を見ると
シイタケが見あたらないので記憶違いの可能性はありますが、何かの「火庚」である事は確かです。こちらも
トロミを付けた甘酸っぱい味のスープでした。「魚善 魚 麺」は「魚善 魚 火庚」を麺に掛けた料理かもしれ
ません。だとしたら、同じ種類の料理を注文したのは失敗でした。


菱の実


屋台で見慣れない物を見かけて写真に撮りました。帰国してから調べるとの実でした。栗のような味がする
との事ですが、それが本当なら日本でももっと普通に食される気がします。誰かチャレンジしてみて下さい。


台南日帰り旅行の翌日は旗津へ行きました。その途中、地下鉄美麗島駅の地下コンコースで小学生の書道大会
に遭遇しました。小さな子が難しい漢字を書いています。しかしボク…!その筆遣いは…? 動画はこちら。

美麗島駅の書道大会



鼓山輪渡站へ行く前に鼓山代天宮を参拝しました。屋根飾りが見事です。

代天宮 牌楼


代天宮 本堂


代天宮 屋根飾り(高解像度)



ハマシンの陸地に深く切込んだ路というか入江というかハマシン湾(私が命名しました)に橋がなくて不便な
事は、前回の旅行レポでも苦言を呈しましたが、なんとそこに橋が掛っていました。橋の名前を確認し忘れた
ので、取りあえずハマシン大橋と命名します。台湾社会も着実に進歩しています。o(^∇^)o

ハマシン大橋(仮称)


ハマシン湾(仮称)



鼓山と旗津を往復するフェリー「鼓山輪渡」で旗津へ行きました。フェリーに乗船できるのは人と自転車と自
動二輪車で、自動車は不可です。大人1人の運賃は15元です。

鼓山輪渡站


出航する渡し船


旗鼓一號


船内1階


船内2階席



船は10分ほどの航海で、旗津側のフェリー・ターミナルに到着します。

旗津輪渡站


廟前路(フェリー・ターミナル付近)



フェリー・ターミナルから廟前路を外海側へ向かうと、途中に三級古蹟の旗後天后宮があります。

旗後天后宮


旗後天后宮説明板


康煕12年(1673年)建立の高雄市で最も古い寺廟だそうです。といっても最初は茅や竹で出来た質素な廟だった
のが、後の時代の信者の寄進で改修増築していったそうです。最後の改修は1926年と書いてあります。

もし旗後灯台や旗後砲台跡へ行く場合は、天后宮を通り過ぎた次の角を右へ曲ります。廟前路を更に進み海が
近づいて来ると海鮮料理屋や海水浴用品店が増えて、海の街らしくなってきます。

廟前路(旗津海水浴場付近)


海鮮料理屋



旗津海水浴場に到着しました。椰子の木が南国風情を感じさせますが、台湾でもさすがに11月になると泳いで
いる人はいません。行交う人の服装もみな長袖です。しかしサーファーはいました。

旗津海水浴場


サーファー



ビーチと岬


ビーチの向うの岬の上に立っているアンテナは漁業組合の無線局です。砲台跡はその右隣にあります。


砲台跡へ登る坂道


山の斜面の坂道に穴がボコボコと開いていました。防空壕なのか古い墓の跡なのか地元民の倉庫代りなのか、
よく判りませんが。


高雄区漁會漁業専用無線局


門の中に犬がいます。どうやら無線局で飼われているようです。おいでおいでをすると、門をすり抜けて出て
きました。この人なつっこさでは番犬としては役に立たないでしょう。(^。^)


砲台跡は無線局の隣にあります。入口に「旗後砲台古蹟故事館」という立看板が立っています。130年前の清朝
末期の砲台跡で、それほど古い時代のものではありませんが、適度な廃墟具合がいい味を出しており、意外と
遺跡っぽくて良かったです。歴史的建造物が少ない高雄において、穴場の観光地だと思います。

旗後砲台古蹟故事館


砲台跡


倉庫?弾薬庫?兵舎?


倉庫?内部


砲台跡


無線局を振返る


海水浴場を振返る


高雄港西側出入口



砲台跡のビーチ側に出入口らしき門があります。

出入口の門?



門を出て振返ると「南天○○」と書いてあります。○○にどういう字であったかは、諸説あるそうです。

南天○○門



ところが門を出た先は急斜面で行止りです。

行止り


ビーチから撮影した南天○○門


上の写真はビーチから望遠で撮影した門です。写真では判りにくいですが、実際は絶壁と言えるほどの急斜
面です。昔はこの急斜面に階段があったのでしょうか?


砲台跡を入口と反対方向へ進むと旗後灯台の裏門があります。つまり「旗後砲台古蹟故事館」と「旗後灯台」
は背中合せで隣合っています。灯台の裏門の表札が「財政部関税総局」となっていますが、無料で開放されて
いますので安心して入場してください。どうやら台湾では灯台は税関の管轄のようです。

旗後灯台の裏門


旗後灯台




旗後灯台の敷地から見る高雄港



さて、地下鉄が開通して外国人旅行者には便利になった高雄市ですが、台北に比べて非常に不便を感じる点が
あります。飲食店が少ない上に、その少ない飲食店の閉店時間が早いのです。どれくらい少なくて早いかとい
うと、日本の平均的都市並みです。まぁ、街中に飲食店があって深夜まで営業している台北が特異なのですが、
あの便利さになれてしまうと、高雄は不便です。一日中観光をして夜10時くらいに飯を食おうとなると、高尾
駅前でさえほとんどの店が閉っており、台湾の吉野家的存在の牛肉麺チェーン店「三商巧福」くらいしか開い
ていません。

三商巧福 高雄駅前店


店内


紅焼排骨飯セット


紅焼排骨飯セットの値段は忘れてしまいましたが、帰国してから三商巧福のホムペで調べると紅焼排骨飯の
単品は85元でした。それに付け合せの小皿とスープとドリンクが付いてもせいぜい100元くらいだと思います。


高雄のお土産にカラスミを買いに、乾物屋街の三鳳中街へ行って来ました。

三鳳中街


乾物店


烏魚子


若旦那らしき店員さんに一番小さい物を頼むと、奥の冷凍庫から何個か取出して来て、一番小さい物を捜して
くれました。値段は1個いくらではなく量り売りで、この一番小さいやつで約四百数十元(約1300円相当)で
した。冷凍品だが常温保存しても保つのか聞くと半年保つと言うので買求めましたが、持帰ってからパッケー
ジ裏の注意書を読むと、冷凍保存してくださいと書いてあります。まぁ、真空パックだから常温でも保つとは
思いますが。

その後、台北のホテルでは冷蔵庫に入れ、1日は常温状態で日本に持帰り、自宅では冷蔵庫に保管して、その
年の年末に友人達が集った時に食べました。下痢をした奴はいなかったので、冷凍保存しなくても保ったので
しょう。

カラスミのお味の方は、やはり魚の卵だけあってタラコと同系統の味です。ただタマゴの粒子が細かいのでツ
ブツブ感はなくてチーズのような歯ごたえです。塩付けなので当然塩辛く、カラスミだけをムシャムシャと食
べるような物ではありません。要するに主食ではなくて酒の肴です。人が大勢まる酒席に肴の一つとしてさり
げなく出して、「おっ、カラスミですか。一口いただきましょう。いや〜、これは珍味、珍味」と話のネタに
するもの。食べてもせいぜい二口です。三口も食べる人は少数派でしょう。

もし台湾土産にカラスミを考えている方がおられたら、帰国後に人が10人以上集る機会に封を開ける事をお勧
めします。四人家族で食べたら持てあます事は必至です。



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