中国 杭州  2009年 4月 30日 〜 5月 4日


呉山景区と河坊街


杭州一の繁華街が延安路ですが、中山路と南山路も味わいのある通りです。南山路は後で紹介しますので、ま
ず中山路を紹介します。まず断っておきますが、2009年5月時点では、平海路から河坊街にかけての中山路沿
いの街並みは、全面的に改装工事中です。下の写真は、平海路付近の中山路ですが、街路樹の向こうに見える
商店の建物が全て改装工事中です。


中山路(平海路付近)
中山路(平海路付近)


中山路を南に進み、解放路を越えると、舗装がアスファルトから石畳に変わりますが、道沿いの建物のほとん
どが改装工事中である事は同じです。


中山路(解放路付近)
中山路(解放路付近)


中山路をさらに南下し、河坊街に近づくと石畳の路面に水路が建設中です。


中山路(河坊街付近)
中山路(河坊街付近)


中山路と解放路の交差点の歩道に中山路歩行街の完成予想図が設置されていました。百年の歴史(建築)を慎
重に修整し、老街の風貌を再現するそうです。完成した頃にもう一度行きたいです。


中山路歩行街完成予想図
中山路歩行街完成予想図


中山路を南下すると、歴史的建築物の残る観光名所、河坊街と交差します。河坊街を少し東進して南へ曲った
ところに鼓楼があります。かつては杭州の街に南側から入る時の門でした。動画はこちらにあります。


鼓楼
鼓楼


鼓楼の下を通過して河坊街に戻りました。うだつが並ぶ中国華南地方の伝統建築と、日本で言えば明治大正時
代の建物であろうレトロな西洋建築が軒を連ねています。


河坊街1



河坊街を西進すると土産物屋の屋台が並んでいます。


河坊街2



覗きからくり「拉大片」の大道芸人がいました。口上を述べながら鐘や太鼓を鳴らしつつ、観客の子供と何か やりとりをしていました。勿論有料です。終わったら横で待っていた父親が料金を払っていました。この坊や の目には何が見えているのか永遠の謎です。拉大片の動画はこちら。


拉大片



河坊街の表通りの店舗はほとんど完成していますが、裏通りはまだ整備工事中の建物が多いです。


河坊街の裏通り



再び河坊街の真ん中あたりに戻って、レトロな西洋建築を2棟紹介します。マクドの入居している建物は、こ
のあたりのランドマークになります。


河坊街4



河坊街5



河坊街から北に入った横道にある光復路小吃街です。座席は共通利用するシステムで、両側の各店で料理を買っ
た客は空いた席に座って食べます。動画はこちらです。


光復路小吃街
光復路小吃街


光復路小吃街の北端の串揚げ屋。蟹二匹を串刺しにして唐揚げしています。食べ方に困る串揚げです。右のト
レイは海老の串揚げ。背筋を伸ばして串刺しにされているので、海老に見えないかもしれませんが。


蟹と海老の串揚げ
蟹と海老の串揚げ


昼食を食べる店を探し、マクドの南対面の羊湯飯店を見つけました。


羊湯飯店外観
羊湯飯店外観


飯店といってもホテルではなく、字義通りの「飯店」です。


羊湯飯店玄関
羊湯飯店玄関


扉の右側のお品書きを拡大します。


羊湯飯店お品書き
羊湯飯店お品書き


店に入ったら、まずカウンターで料理を注文して支払いを済ませ、それから着席するシステムでした。


羊湯飯店店内
羊湯飯店店内


机の上のメニューを見て、雲呑と羊肉串を食べました。が、今思えば「請看給我菜譜」と頼めば、玄関のお品
書きの料理を載せた本格的なメニューを出してくれたはずです。


雲呑と羊肉串
雲呑と羊肉串


河坊街を後にして、呉山景区に行きました。この時点では、行った先に何があるかぜんぜん知りません。下の
地図の上端を水平に走っているのが河坊街歴史街区です。河坊街を右から左へ進むと、下方向へ分岐する道が
あり、その道を進むと杭州歴史博物館があります。そこへ行ってみました。


呉山景区地図
呉山景区地図


下の写真の地点が、杭州歴史博物館へ行く分かれ道です。地図では判りませんが、山登りの坂道です。


杭州歴史博物館への道
杭州歴史博物館への道


坂道の途中に杭州歴史博物館がありました。なんと、入場料無料という太っ腹な経営です。


杭州歴史博物館
杭州歴史博物館


一階のフロアの中央に、宮廷の床に敷き詰めていた模様入りの焼き煉瓦「印花方磚」の発掘現場を再現した
展示がありました。


南宋臨安府治遺址印花方磚
南宋臨安府治遺址印花方磚


私がびっくりしたのは、この展示の説明文を小学校1、2年生くらいの子供達が取り囲み、皆で声を合わせ
て読んでいた事です。説明文を読む子供達の動画はこちら。この動画で子供達が読んでいるのは、3〜4行
目の「為我 イ門 研究南宋時期的官式建築提供了宝貴的実物資料。此為復原的印花方磚」の箇所です。子供
達の読んだ文章のレベルを知って貰う為、(適当に)翻訳します。

2000年6月、杭州の蓮花池の端の東側に、南宋臨安府治遺址が出現した。面積約800平方メートル余り。印花
(模様入り)方磚が敷き詰められた庁堂と、素面(無地)方磚が敷き詰められた西側の部屋などの遺跡が有
る事が明るみに出た。臨安府治遺址の出現は、我々の南宋時期官式建築研究の為に、貴重な実物資料を提供
した。これ(展示物)は、復元した印花方磚である。

この子供達は、漢字の発音は読めても文章の意味までは理解できていないと思います。日本の小学校低学年
が、ルビをふってあれば「かまくらばくふ」と読めても「鎌倉幕府」の歴史的意味を理解できている訳では
ないように、この子供達が「南宋」の漢字発音を知っていても、その歴史までは理解できていないのではな
いでしょうか。もし中国史における南宋の意味まで理解しているならば、中国教育恐るべし、ですが。


城隍閣入口
城隍閣入口


博物館を後にして、坂道をさらに上ると、券売所のある入場口がありました。お寺でもあるのかと思い、入っ
てみました。ところでこの時の入場券には入場者サービスの一環で抽選券が付いており、左端の何やら品物を
乗せたテーブルが抽選の景品です。


抽選の景品
抽選の景品


私は小さなお守りを貰いました。今この写真を見て思うのですが、もしテーブルの横に置いてある大きな箱
の景品が当たっていたら大変な事になるところでした。


城隍閣
城隍閣


城隍閣は、歴史的建造物を模した現代建築です。鉄筋コンクリートでエレベータで最上階へ行けます。施設
の機能としては展望台兼ギャラリーです。


南宋杭城?風情図
南宋杭城?風情図


これが内部に展示してあった南宋時代の杭州のパノラマ模型です。題名の南宋杭城の次の字は判りません。


鼓楼付近
鼓楼付近


パノラマの鼓楼付近です。鼓楼の後ろの山に城隍閣がある事になります。このパノラマを見て知ったのです
が、南宋王朝の王宮は、杭州市街の南に位置するこの山麓付近にあったのです。「天子南面す」で、中国式
都市計画では王宮は都の北側に配置するものですが、南宋の都の臨安(杭州)は、中国全土を支配していた
宋王朝が、版図の北半分を女真族の金王朝に奪われて南に逃げて置いた臨時首都という建前ですから、北か
ら来る敵(金王朝)に備えて市街の南側の山中に宮殿を置いたのでしょう。臨時と言いながらこの都は百年
以上続いた訳ですから、役人たちは日々の出勤の山登りで大変だったでしょう。(健康には良かったかも?)
城隍閣の最上階から撮影した風景写真を紹介しておきます。


城隍閣から見る杭州市街
城隍閣から見る杭州市街


城隍閣から見る西湖
城隍閣から見る西湖


城隍閣から見る西湖風景のパノラマ
城隍閣から見る西湖風景のパノラマ



城隍閣を出て呉山景区を後にした私は、南山路を北に歩いて、解放路で東に曲がってホテルへ戻りました。
南山路は洒落たカフェやレストランやギャラリーの並ぶ、味わいある通りです。次に杭州へ来る時は、南山
路が徒歩圏内のホテルを選ぶのも良いかなと思いました。


南山路
南山路


両岸珈琲
両岸珈琲


南山書屋
南山書屋


花園餐廰
花園餐廰



この日の夕食は、四季酒店あたりの解放路から北側へ入ったあたりで見つけたレストランに入ってみました。
農家料理だけあって、よく言えば素朴、はっきりいえば洗練さに欠け、東坡肉は脂身がしつこ過ぎて降参し
てしまいました。


臨安農家楽
臨安農家楽


店内
店内



麺


炒青菜
炒青菜


東坡肉
東坡肉


ごめんなさい
ごめんなさい




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