台湾 台中  2011年 10月 3日 〜 10月 6日


このページは台中で訪れた観光名所を紹介します。一部の写真は4000×3000ドットの高解像度なので、ページ
閲覧が重い点はご容赦ください。まずは台湾鐵路台中駅舎です。2007年の高雄旅行で台中駅を通過した時に撮
影した写真が手ぶれだった事の無念を晴すことが出来ました。

台湾鐵路台中駅夜景(高解像度)


台中駅舎構内


台湾鐵路台中駅昼景(高解像度)



次は、同じく日本統治時代の名建築である台中州庁舎です。現在では、台中市政府の本庁舎は中港路2段の新
庁舎に移転していますが、この建物も現役のお役所として使われています。守衛に呼止められる事もなく中庭
まで入れましたが、一般人がどこまで入る事が許されるのか心配になってそこで引返しました。

台中州庁舎昼景


廊下


中庭


台中州庁舎夜景(高解像度)


夜間はライトアップされてまったく別の表情を見る事ができます。空港から統聯バスで台中駅に行く場合、こ
の台中州庁舎の前を通りますので、右手にこの建物が見えたら降りる準備をして下さい。

台中州庁舎から市府路を渡った向いに台中市役所があります。日本語の「市役所」とは意味が違って、「市の
業務を行う事務所」くらいの意味だと思われます。現在は市政資料館となっており無料で参観できました。

台中市役所(台中市政資料館)


台中市役所玄関


台中市歴史景点のプレート


翻訳します。

台中市役所は西暦1911年に竣工した。欧式建築を模倣しており、台中地区における鉄筋コンクリート建築の嚆
矢である。日本統治時期の元々は台中庁公共 土卑 土川 連合会事務所であり、その後、台中市役所、台中市
行政官署となり、1945年台湾光復後かつては台中市二二八事件処理委員会及び中国国民党台中市党支部であっ
た。台中市政府回収後は台中市政資料館と新聞室、交通局事務所となった。2002年7月、本市歴史建築への登
録を公表した。


市政資料館の展示


私が行った時は、国共内戦から冷戦時代にかけての中華民国と米国の同盟関係というお堅いテーマの展示でし
た。上の写真の左端のペプシ・コーラの木箱も歴とした展示物です。置忘れではないので誤解無きよう。(^_^;

2階の展示室を見て回っている時、ドームの下の部屋へ登る階段がありました。照明は点いていませんでした
が、「関係者以外立入り禁止」の立札もなかったので、登ってみました。下はドーム下の部屋の写真です。私
の真似をしてここへ入り込んで、係員に見つかっても私は責任を持ちませんのでご承知置きください。ところ
でこの部屋は、建物の設計時は何の用途を想定していたのでしょうか。窓がこんなに高い位置では普通の用途
には使い辛いと思いますが。

ドーム下


キャビネット式テレビジョン受像機


この資料館の1階ロビーに三洋製のキャビネット式テレビジョン受像機が置いてあり、展示物紹介ビデオを放
映中でした。40年くらい前の製品だと思われますが、ちゃんと映像が出ているのは奇跡的です。もしかしたら、
この館内では一番貴重な物品かもしれません。


次に、台中駅前からタクシーに乗って台中市民俗公園へ行きました。タクシーの運転手さんは年配の方でした
が、私がガイドブックの地図を片手に台中の街を眺めていると沿道の名所を説明してくれました。ただ日本語
は出来ないようで、中国語に英語混じりで説明してくれました。御尊父は早稲田の卒業だそうで、ご自身も日
本へ何度か旅行した事があるそうです。

やがてタクシーが目的地に到着してビックリ仰天。台中市民俗公園があるはずの場所は、大規模に掘返されて
いました。w(゚□゚)w

工事中の民俗公園


下は、台湾民俗文物館の中に掲示してあった完成予想図です。区画の右上の四合院建築が台湾民俗文物館です。
それと池を夾んだ左隣の建物が土産物屋ですが、それ以外の公園部分の土地は地下駐車場工事中でした。

民俗公園完成予想図



タクシーは台湾民俗文物館の前に停まりました。本来は民俗公園の裏門なので、垂幕以外には何の表示もない
簡素な入口です。民俗公園の入園料は50元ですが、工事中は台湾民俗文物館の入館料として25元に値下げされ
ていました。

民俗文物資料館入口



台湾民俗文物館は、地上に四合院建築が移設されており、室内の調度も含めた建物全体が展示物となっていま
す。私はこの方面には素人ですが、建物や調度品は価値のある物だと思います。

四合院正庁


四合院内部





民俗学の収蔵品の展示室は地下にあります。某大学の収集品だそうです。

地下展示室



展示室の一画に昔の商店を再現した蝋人形のスペースがあります。蝋人形は古ぼけていてちょっと不気味です。
もし機械仕掛で突然首をこちらに向けて話出したりしたら、気の弱い人は腰を抜かすかも知れません。

薬屋の蝋人形


農具


嫁入りカゴ


陶磁器


陶磁器の展示スペースの真ん中に椅子とテーブルが置かれていました。伝統家具の様式なので、これも展示物
なのでしょうか?それにしては「触るな」の注意書がありません。参観者の休息の為に置いてある椅子なのか?
テーブルの上に置いてあるのは碁盤と碁石ですが、参観者は自由に囲碁を打って良いという事なのでしょうか?


四合院と池を夾んだ隣の建物は数軒の土産物屋が集っていました。どこも閑散としており、営業が成立つのか
人ごとながら心配です。

土産物屋



民俗公園参観を終えた次は、路線バスに乗って宝覚禅寺近辺のバス停で降りました。そこからは、宝覚禅寺〜
香蕉新楽園〜孔子廟〜一中街商圏〜台中公園、と徒歩で移動しました。

宝覚禅寺は1927年の開山だそうで、それほど古刹という訳ではありません。メインの目的地である香蕉新楽園
へ行く途中にあったので、ついでに寄ってみました。本堂は、木造の旧本堂をコンクリート建築の新本堂で囲
むという奇抜な設計です。

宝覚禅寺本堂


新本堂内部の旧本堂


ご本尊



本堂の右隣に高さ布袋さんの像が鎮座しています。私の持っているガイドブックの「新個人旅行・台湾 2010
年版(昭文社刊)」では、高さ30mと紹介していますが、高さ30mと言えば10階建のビルに相当する高さです。

実際の像は新本堂の2階の屋根と同じくらいの高さであり、その新本堂の高さは上の写真のようにせいぜい5
階建て相当(新本堂の1階部分に木造2階建ての旧本堂がすっぽり入っている)です。もしかして「座ってい
る布袋さんが、もし立ち上がったら高さ30mになる」という仮定の話でしょうか?

布袋さん


ガイドブックの説明文では「弥勒大仏」と紹介していますが、「布袋さんは弥勒菩薩の化身」というのは中国
仏教における信仰です。日本人における弥勒菩薩のイメージは、広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像の穏和なお姿で
しょう。それが、こんなニタニタ笑ったメタボのオッサンと同じだなんて信じられますか。中国仏教が「布袋
さんが弥勒菩薩の化身」と信じるのは信仰の自由ですから外国人がケチを付ける権利はありませんが、日本の
出版社が日本人向けに販売するガイドブックなら、「この像は布袋さんであるが、中国仏教では布袋さんは弥
勒菩薩の化身と信じられている」くらいの解説を付けるべきだと思います。

布袋さんの背中


布袋さんの背中には小窓がちりばめられています。夜になると色とりどりに光るのでしょうか?


香蕉新楽園で飲茶をした後、徒歩で孔子廟へ行きました。行きしなにタクシーが孔子廟の前を通り過ぎた時、
私が「あれが孔子廟ですね」と言うと、運転手さんは「あれは中国人が作った」という素っ気ない返事でした
が、孔子廟の建物を見て運転手さんの冷たいコメントの意味が分りました。

台湾の寺院は屋根が左右に反り上がった福建様式ですが、この孔子廟は大陸の様式でした。ガイドブックによ
ると、1976年の落成で宋時代の宮殿建築様式との事。国民党政権の独裁時代に外省人が台湾の伝統を無視して
勝手に建てたというニュアンスだったと推測します。

孔子廟大成殿


孔子廟回廊


しかし観光客の立場で言えば、台湾で大陸の宮殿様式の建物が無料で見学できるのは価値があると思います。
素人目にも細部の装飾も見事な建築だと思いました。左右の回廊には孔子の高弟や歴史上の有名な儒学者の位
牌が並べられています。

孔子廟の隣には台中忠烈祠があり、両施設を仕切る塀にも出入り口が設けられているので、孔子廟と忠烈祠の
間を直接行き来する事ができます。

忠烈祠



これは孔子廟の向いに建っていたビルは、屋上の増築建築が2階建です。そんなに床面積が必要なら最初から
6階建てにしとけば、とツッコミたくなります。

孔子廟近くのビル



最後に国立台中科学博物館を紹介します。さすがに「国立」だけあって、とても大規模な博物館でした。

国立台中科学博物館


建物模型



科学博物館としての展示は、生物の進化をパネルと模型で説明するといった教科書的内容の物で、恐竜の化石
のような希少価値のある展示物は少なく、大人がわざわざ訪れる事はないと思います。私が興味を引いたのは、
「中国の古代科学」という展示でした。下の写真は古代の地震計です。龍の口の玉の落ちた方向によって、震
源地の方角が判る、という理屈だと思いますが、揺れが大きければ全ての玉が落ちてしまい、震源地は判らな
いのではないでしょうか。

中国古代の地震計



中には科学博物館らしからぬ展示物がありました。高雄県萬福村にある萬福宮の建物が1987年に建て替えられ、
その古い建築物がこの博物館に移設保存されています。この寺院は清朝の光緒年間の建築だそうです。

萬福宮












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